両チームともに前節は下位チーム相手に手痛い敗戦。さらに上の順位を狙えるチャンスだったが、勝点を上積みすることができず、今節は仕切り直しの一戦となる。
前節、アウェイで浦和と戦った名古屋は、前半こそ今季一番と言える出来で主導権を握り、チャンスも多く作ったが、決め切れず。逆にもったいないビルドアップのミスから、クリアのミスも重なって失点。後半にはPKを与えてしまい、7試合ぶりの黒星となった。
ただ、後半アディショナルタイムに得意のセットプレーから1点を返したこと、自分たちが主導権を握るサッカーで相手を押し込めたことはポジティブな部分。開幕3連敗から6戦無敗を続けていたが、“勝ちに不思議の勝ちあり”という格言のように、内容的にはイマイチ納得がいかない部分もあった。しかし、内容に良化の兆しが見えてきたことで、今節からはそれをいかに勝点3へ結びつけるのかという作業になる。
名古屋の今節の注目選手は、3バックの中央で先発が予想されるハ チャンレ。圧倒的なフィジカルの強さと闘争心でピンチをはね返すファイターが今季出場した試合は、すべて最少失点以下に抑えることができている。Jリーグでも屈指の攻撃力を誇る神戸FW陣を相手にどれだけのパフォーマンスを見せられるのか、ハ チャンレにとっても試金石になる試合と言っていいだろう。
攻撃陣は正念場だ。ここ2戦で3得点を奪っているものの、すべてがセットプレーからの得点で、流れの中から相手を完全に崩してゴールを奪うことができていない。もちろんセットプレーを強みにしているのは良いことだが、再現性のある形で相手を崩してゴールを奪えば、自分たちのプレーにより自信が持てるようになるはず。倍井 謙の仕掛けや永井 謙佑、中山 克広の裏抜けなどの武器に、高い技術を持つ森島 司や和泉 竜司のパスワークを絡めてディフェンスラインを切り裂き、新しい得点パターンを構築したい。
対する神戸は、前節、ホームに京都を迎えた。エースの大迫 勇也が3試合ぶりに先発復帰し、万全の体制が整った神戸は前半の終了間際に初瀬 亮のロングスローを大迫が押し込んだものの、VAR介入の末にノーゴールに。直後に相手のハンドで得たPKも、大迫のキックは相手GKに読まれて決めることができなかった。
そして55分、京都に先制を許してからは怒とうの攻撃を見せ、シュート数は大迫が6本、前々節・湘南戦まで2戦連発を記録していた武藤 嘉紀が7本など、チーム合計で相手の6倍近い29本のシュートを放ったが、最後までゴールネットを揺らすことができずに3試合ぶりの敗戦となった。
ただ、これだけシュートを打てるチャンスを作ったことはポジティブに考えていいだろう。今節は堅い名古屋の守備を崩すだけでなく、どうやってゴールネットを揺らすのか。相手に合わせず、自分たちのスタイルを崩さずに攻め切りたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
