「もちろん大事な公式戦。勝利のために現状のベストメンバーで戦う」と長谷川 健太監督は言い切るが、リーグ戦に挟まれた水曜日のナイトゲーム、しかも週末には中2日で札幌遠征を控えており、“現状のベストメンバー=主力組”とは言い難い。
また、名古屋はリーグタイトルを狙うために、控え組の底上げを課題として抱えている。ルヴァンカップは勝ち上がりを決めていることで、これまで出場機会の少なかった若手選手を積極的に起用し、経験値を積ませることも十分に可能だ。
前節の横浜FC戦では、名古屋U-18所属の高校3年生・貴田 遼河が2ゴールと大活躍し、そのままプロ契約を勝ち取った。そればかりか、その後貴田はリーグ戦でもベンチ入りを果たし、4万人以上を集めた明治安田J1第11節・神戸戦や、『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』として国立競技場で行われたリーグ前々節・鹿島戦といった大舞台を踏んでいる。
今節はその貴田に続けとばかり、名古屋の若い力が躍動する姿が見られそうだ。現在トップチームには貴田のほかに名古屋U-18から4人が2種登録されているが、中でも闘志を燃やしているのがMFの鈴木 陽人だ。
貴田と同じように沖縄キャンプに帯同し、トップチームの練習にも頻繁に参加している鈴木は、キレのあるドリブルとマックススピードの中でも出せる正確なパスが武器。名古屋U-18では貴田の最高のパートナーである。
「遼河ができるなら自分だってできる」と気合いの高まっている鈴木は、トップチームの練習試合でもしっかりと結果を出しており、今節は出場するだけでは満足せず、結果を求める試合と位置づける。
そして、2人の特別指定選手にも注目したい。“名古屋U-18最強世代”と呼ばれる現大学4年生の倍井 謙と榊原 杏太。2人は名古屋U-18から直接トップチーム昇格とはならなかったが、大学での成長を見込まれて来季からの加入が決定している。その彼らが正式加入前にどんなプレーを見せてくれるのか。ここで結果を出すことで、チームとしての武器も当然増える。
一方で、J1では首位を走る神戸だが、ルヴァンカップではすでに3位以下が確定し、2試合を残してグループステージ敗退が決まっている。
状況を俯瞰すれば、神戸もターンオーバーで臨むことになると考えられるが、試合に出る選手からすると、どんなときでも負けたくはないし、この試合でアピールして今後の出場につなげたいと考えているはず。エンブレムに誇りを持って戦うことは間違いない。
名古屋はプライムステージ進出、神戸はグループステージ敗退が決定している状況だけに、今節は消化試合と見られがちだが、内実はまったく違う、選手としての誇りを懸けた戦いが待っている。次のステージをつかみ取りたいと必死に戦う若い姿に注目してほしい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
