2-2で迎えた終了間際に菊池 流帆が挙げた劇的な決勝点で前節・新潟戦に勝利した神戸。そこから中2日で迎えた25日の天皇杯準々決勝では鹿島と対戦し、3-0の快勝を収めた。
新潟戦から先発11人全員を入れ替えて臨むと、15分に森岡 亮太のゴールで先制。神戸らしい粘り強い戦いを続け、83分には佐々木 大樹、後半アディショナルタイムには井手口 陽介がゴールを決めて、ベストメンバーで編成した鹿島を破った。リーグ戦の出場機会が少ない選手たちが反骨心や使命感、そして備わる確かな実力を示した。
天皇杯やAFCチャンピオンズリーグエリートリーグステージ第1節・ブリーラム戦を含めると、直近9戦は7勝2分と無敗。「誰が出ても――」の枕詞がひときわ映える充実ぶりだ。鹿島戦では64分から出場し、巧みにボールを引き出して攻撃をけん引した宮代 大聖も、この一戦から多くの刺激を受けながら自らのさらなる向上を見据える。
「監督からはチーム全体に対して『日々競争』と言われている。自分もいまは試合に出ているけど、次の試合は分からない。毎試合毎試合、確約されたものはない。与えられた時間で自分はどんなパフォーマンスができるかを考えている」 “競争と共存”というテーマの下、チーム力が着実に上積みされている昨季のJ1王者。今節は1位・広島と2位・町田の直接対決があり、その2チームと勝点1差で3位につける神戸としては、勝てば首位に立つ可能性もある注目のシチュエーションだ。ただ、神戸の姿勢は揺らがない。酒井 高徳が言葉に変えた。
「今季を通して僕らは順位を見ている暇はない位置にずっといた。(順位を)良い意味で無視して、自分たちのやり方をしてきたことでいまの位置がある。ここへ来て安易に手放すわけにはいかない。どんな相手、他会場とか関係なく、その日の90分にすべてを捧げることが大事。今日みたいな試合(鹿島戦)をして、チーム力を上げて一つひとつ勝っていくこと。前節の流帆もそうだけど、一人ひとりが力になっている。同じように残り7試合を戦っていきたい」 ギラつく瞳で“目の前の試合”に鋭い視線を向けるホームの神戸に対し、アウェイに乗り込む浦和も自らの力を高めるために心血を注ぐ。
ペア マティアス ヘグモ前監督からバトンを渡されたマチェイ スコルジャ監督。昨季以来の指揮となったアウェイでの前々節は1-0でG大阪を下し、7試合ぶりの勝点3を獲得する好スタートを切ったものの、ホームでの前節・FC東京戦は0-2の敗戦を喫した。
確かな前進への手ごたえや明らかな課題などが見えてきている状況だろう。守備からの立て直しを企図しているという中で、実現させるには、どのような戦術的オーガナイズを組んだとしてもそれを実行する選手個々の高い意識が不可欠だ。前節でブライアン リンセンが負傷交代するアクシデントに見舞われたが、試合は良い悪いを含めてさまざまな現象が起きるもの。惑うことなく出場する選手がどれだけチームの結果に力を注げるかが巻き返しの肝となりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
