4日のJリーグYBCルヴァンカップ決勝戦。クラブ史上初のタイトルが懸かり、また決勝進出も初というフレッシュな精神状態の福岡に対して、これまで何度もカップタイトルを制してきた浦和。事前の報道などから、どうしても“挑む福岡”と“受ける浦和”という構図ができ上がっていた。
これが少なからず、ピッチ内外のメンタルに影響を及ぼしていたようにも感じられた。福岡は勇敢に戦い、過密日程をこなすのに精一杯になりつつあった浦和は慎重が過ぎてしまった。「今日はすべての要素で福岡が上回っていたと思う」(アレクサンダー ショルツ)と、1-2の結果を受け入れるしかなかった。
続く8日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループJ第4節・浦項戦。ここでも浦和は崖っぷちで、自力でのグループ首位突破の可能性はすでに消滅。2位通過できるのは5グループ中の上位3グループになるため、なんとしても勝点を稼いでおきたい一戦だった。
しかし、素晴らしい試合の入りから先制点を挙げながらも、PKで追いつかれ、退場者を出して逆転を許した上に、最後はマチェイ スコルジャ監督も退席処分を受けるなど、踏んだり蹴ったりの内容で敗戦。せめて勝点1を取れていればまた計算が変わったが、2位通過も極めて厳しい状況に追い込まれた。
そして12日、リーグ戦でも最後の正念場を迎える。残り3試合で勝点差8の首位・神戸戦。負ければ優勝の可能性はついえ、来季から新フォーマットでの施行が予定されているACLエリートへの出場圏内と目される2位(※出場枠については現時点で未定)に入ることもかなり難しくなる。こうしたビッグマッチを立て続けに3試合、1週間のうちにこなさなければいけない浦和はすでに満身創痍の状態だ。
チームは9日夜に帰国しており、今節に向けての準備期間は2日間しかない。リカバリーとミーティング以外にできることは限られる。それでもやるしかない。浦項戦後、安居 海渡はすぐに気持ちを切り替え、スタジアムをあとにした。
「本当にもう、勝たないといけない。いまチームがこうなっている状況を変えるには勝利しかないと思うので、次の神戸戦まで時間は全然ないですけど、そこに合わせてやっていかないといけない。今日、終わったこの日から次の準備に向けてやっていければと思います」 一方の首位・神戸は、前節の湘南戦(1△1)から中14日と休養十分な状態にある。ただ、対浦和には引き分けの1ポイントでも十分だが、横浜FMとは勝点差2でデッドヒートが継続中。アウェイとはいえ、3ポイントを持ち帰って首位を維持したいところだ。
この一戦の重みから、10日9時時点でチケットの総発券数は5万枚を超えた。8月6日以来、久々の週末開催となる埼玉スタジアム2002の力も借りて、浦和は奇跡の逆転優勝を目指す。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
