両者はタイのブリーラムで開催されたAFCチャンピオンズリーググループステージに挑んだ間柄。違うグループに所属のため対戦したわけではないが、同じ国での遠征は互いに大きな刺激になっていたことだろう。いわばアジア制覇を懸けた戦友であり、両者とも8月に日本での開催が決定したノックアウトステージ進出を果たしている。ただ、そんな友好の気配が今節のピッチに現れることはあり得ず、死に物狂いで勝利のみを求める一戦となる。
ホーム戦となる神戸は前節、アウェイで柏と戦い、1-3の敗戦を喫した。シーズン前半戦は2勝5分10敗の戦績となり、勝点11で最下位となっている。昨季はクラブ史上最高となるJ1・3位に入る確かな安定感を見せていたチームだが、ここまでは思うようにいかないシーズンになっている。
浦和は前節・名古屋戦でリーグ戦10試合ぶりとなる勝利をようやくつかみ取ったが、自動降格圏の17位・湘南と勝点2差の13位と低迷している。昨年度の天皇杯チャンピオンもまた、神戸同様、想定どおりのシーズンにはなっていない。
両者は2月に埼玉スタジアム2002で対戦し、熱戦を繰り広げている。先にスコアを動かしたのはアウェイに乗り込んだ神戸で、10分にペナルティーエリア左の狭いスペースから武藤 嘉紀がテクニカルなシュートを決めて先制に成功。ところが12分、松崎 快が決めて追いついた浦和は、19分にも柴戸 海が決めて瞬く間に逆転。浦和がリードしたまま試合は終盤にさしかかり、ここで“違い”を見せたのが今季浦和から神戸に移籍していた槙野 智章。87分にアンドレス イニエスタのクロスを頭で合わせ、神戸が土壇場で引き分けに持ち込んでいる。
あのとき見せた両者の戦いぶりからいまの低迷を予想するのは難しい。それだけのファイトあふれる攻防かつ、随所に両者が備えるクオリティーを披露したマッチアップだった。
直近の両者は22日に天皇杯3回戦を戦い、神戸は山口に先制されるも、終盤に初瀬 亮と酒井 高徳の連続ゴールで起死回生の勝利を挙げた。一方、浦和は群馬を相手に0-1で敗れ、ジャイアントキリングを許してしまっている。
両チームともに感情が大きく揺さぶられるような試合を戦ってから中3日で迎える今節。決着をつける一戦であると同時に、目下のライバルを破って上昇気流をつかむための負けられない戦い。神戸・ロティーナ監督と浦和・リカルド ロドリゲス監督という経験豊富なスペイン国籍指揮官による頭脳戦、両者のタレントが織りなすクオリティーの競演と見どころ多彩なマッチアップ。心技体をいかに整え、最高の状態で試合当日を迎えられるかは大きなカギとなりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
