「オラ(ソルバッケン)選手が見えて、そこに合わせようと思ったら変なボールになっちゃったり、チアゴ(サンタナ)選手に合わせようと思ったら変なボールになった。(失点シーンよりも)そっちのほうが問題」 1-2の敗戦となった前節。自身がもっと正確にクロスを供給できていればと悔やんだ。前半で試合を決められていたかもしれない。複数得点を挙げて逃げ切るのが、今季の浦和の勝利パターンでもある。逆に、接戦にもつれ込んだ際はあまり勝率が良くない。前半のチャンスは特に重要になる。
「そこは自分がレベルアップするしかないな、ということで切り替えられました。初心に戻るじゃないですけど、1回行き詰まったときは蹴り方を変えてみたりとか。現に、右足のクロスも、昔はゴロでしか蹴れなかったのが、チップキックが蹴れるようになったりしました。チームとしては良い方向に向かっているなと思いますけど、自分の技術ミスは向上しないといけません」 5月29日の全体練習終了後、クロスの練習に勤しむ姿があった。池田 伸康コーチが間近でキックを確認し、足のどこに当たっているのか、どこに当てるべきかなど基礎から見つめ直す。このままでは終われない。まだリーグ優勝をあきらめたわけでもない。
「気がつけばずっと順位表を見ちゃってるんですけど、まだ(首位・町田と)11ポイント(差)か……とか、自分の中で『まだあるぞ』と言い聞かせています。でも、本当にまだ全然あると思うので。ここから夏場を迎えて、シーズン長いといろんなことがあると思うので、あきらめたらそこで終わりだなと」 勝点は離されてしまったが、まだまだ上位対決が続く。今節は昨季のJ1王者、現在3位の神戸をホームで迎え撃つ。食らいついていきたい。
「強度の高い、勝ちにどん欲なチームという意味では(神戸は)町田に似ていると思います。でも、向こうもこの前負けて、あとがないと思っているだろうし、気持ちの部分でどちらが上回れるかが勝負のポイントなのかなと思います」 前田が触れたように、神戸も前節・東京V戦に敗れたことで一歩後退となった。今季初の連敗を喫し、PK戦で敗れたJリーグYBCルヴァンカップも含めれば公式戦3連敗中、首位との差は6ポイントに開いた。しかし、吉田 孝行監督は「これで戦い方を変えるのが一番良くないし、自分たちらしいサッカーを90分間、やり続けることが大切」と強調。ブレずに巻き返しを狙う。
埼玉スタジアム2002の神戸戦となると、イヤでも思い起こされるのが、昨季の明治安田J1第32節だろう。この試合に敗れたことで、浦和の優勝の可能性は消滅した。あのときとは違う姿を見せたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
