福岡は前節、名古屋と戦い、苦しみながらも88分に元鹿島の小田 逸稀が決勝点を挙げて、12試合ぶりの勝利をもぎ取った。70分から途中出場した小田はゴール前の混戦から右足を思い切って振り、シュートをゴールに突き刺した。長谷部 茂利監督も「久しぶりに勝利することができた」と喜んでいた。クラブのJ1通算450得点目を決める形となった小田はそのことについて「知りませんでした。今度は500ゴール目を取りたい」と、うれしさを隠さなかった。
一方の鹿島は前節、新潟と対戦し、7試合ぶりに勝利。代名詞でもある4バックから3バックに変更すると、前半だけで3得点を奪う内容を見せる。そして後半には1点を加えて、4-0での快勝となった。しかし、この試合の翌日にランコ ポポヴィッチ監督の解任が発表され、9日には中後 雅喜コーチが新監督に就任することになったとクラブからリリースされた。コーチとしてランコ ポポヴィッチ監督を支え切れなかった中後新監督は「今季一緒に戦ってきたところもありますし、非常に悩みましたけれども、やはりやらなければいけないと思いました。このクラブを良くするためにという形で受けさせていただきました」と苦渋の選択だったことを明かす。わずかながら可能性が残る優勝に向けて、「一人ひとりが与えられた役割を100%でやる」(中後監督)ことを選手たちに求め、チームを再スタートさせた。
メンバーを固定しながらチーム作りを進めてきたランコ ポポヴィッチ前監督とは対照的に、中後監督はメンバーを大きく入れ替えながらチーム作りを進めてきた。それによって、チームは自然と活性化し、いろいろなところで競争が巻き起こっている。知念 慶によれば、チーム全体が「より引き締まっている」とのこと。前節で結果を出した3バックではなく、4バックに戻ることは確かだが、その並びはこれまでのような[4-4-2]をベースとしたものではなく、[4-3-3]にチャレンジしていた。今週に入り、公開予定だった水曜日と木曜日の練習が非公開に。誰が、どういう並びで起用されるかが分からないまま試合を迎えることになりそうだ。
今季、主力の1人としてピッチに立ってきた師岡 柊生は「どこのポジションをやるか分からないですけど、自分が任されたポジションでやれればと思います」と話す。新生・鹿島は福岡を相手にどんな試合を見せるだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

