「全局面を支配する」ことを狙う岩政 大樹監督率いる鹿島は、ここまでの3試合すべてで早い時間に先制点を奪うことができている。京都戦では8分にディエゴ ピトゥカ、第2節・川崎F戦では5分に知念 慶、第3節・横浜FC戦では9分に藤井 智也と、狙った形で相手を押し込み、その流れでゴールを奪うことができている。3試合で6得点と、ゴールを奪えずに苦しんだ昨季からの成長を見せている。
ただ、今回対戦する福岡は3バックを基本とする相手だけに、これまでの戦いとは少し違った取り組みが必要だろう。今までは鈴木 優磨、知念といったフィジカルに優れた選手が起点を作ってきたが、福岡も大型で屈強な選手が多い。簡単には優位性を築けないこともあり、攻撃を担う1人でもある藤井は「地上戦を仕掛けていきたい」と話す。全6得点のうち5得点は前半で奪っているだけに、今回も先手をとって試合をコントロールしたいところだろう。
ただ、鹿島にとって難しいデータを残しているのが、福岡だ。福岡はここまで3得点2失点と、相変わらずの堅守が冴え渡っており、さらに奪ったゴールも奪われたゴールもすべて後半だ。つまり、前半は0得点0失点と手堅いサッカーを見せている。元鹿島の奈良 竜樹を中心に、ドウグラス グローリと宮 大樹が並ぶ3バックを崩すのは簡単ではない。
昨季のJ1での対戦は、鹿島が2戦2勝。アウェイでは福岡の堅守を攻めあぐねたが、71分に上田 綺世が一瞬のスキを逃さずにミドルシュートを突き刺し、1-0で勝利している。ホームでは開始10分でオウンゴールを誘うと、90+3分にエヴェラウドが追加点を奪った。どちらも堅い展開で多くの時間が流れる試合だった。
実はその試合以来、鹿島はホーム・県立カシマサッカースタジアムで勝っていない。昨年8月14日に行われたJ1第25節・福岡戦がホームのサポーターの前で最後に勝った試合だ。今季もホーム開幕戦で川崎Fに土壇場で逆転負け。勝利が目前に迫る展開からするりとこぼれ落ちてしまった。なんとしてでも勝ちを届けたいところだろう。
福岡としてもアウェイゲームは乗り越えたい壁だ。今季公式戦で3勝しているのはいずれもホームゲーム。1年を通して上位に進出するためにはアウェイで勝点を稼ぎたいところだ。
[ 文:田中 滋 ]

