ただ、鹿島はこのところ失点が続いている。公式戦では9試合連続失点中と守備にほころびが見られている。高い位置からアグレッシブにボールを奪いにいく戦い方であるため、どうしてもコンパクトさを欠く瞬間が生じることは避けられないとはいえ、1つのミスが失点に直結しているわけではない。第1戦後、レネ ヴァイラー監督が指摘した「1つのミスではなく3つ、4つのミスが起きることでカウンターアタックが起きて失点しています」という部分をどれだけ修正できたかが、試合結果を左右しそうだ。
対する福岡は、自慢の堅守が第1戦で機能した。奈良 竜樹、宮 大樹の両CBはフィジカルが強く、空中戦でもヘディングの強さを発揮し、鹿島の攻撃をはじき返し続けた。ポストに救われた場面もあったが、GK村上 昌謙とも良い連係を築けている。今回もゴール前にカギをかけ、鹿島がバランスを崩したところで鋭い攻撃を仕掛けていきたい。
試合を彩る要素の1つに、サポーターの応援がある。この試合は一部座席を『声出し応援エリア』とし、従来とは異なる観戦ルールおよびガイドラインの下、国内公式戦で最初の『声出し応援運営検証対象試合』として開催される。すでにホーム側声出し応援エリアのチケット2,000席は完売しており、ビハインドの状況から始まるホームチームをサポーターが強く後押しすることだろう。アウェイ側にも1,000席が販売されており、日本のスタジアムにひさびさにサポーターの声援が響くことが期待できそうだ。
鹿島は上田 綺世が日本代表に招集されており不在。第1戦では、替わりに土居 聖真が2トップの一角に入り、少し戦い方を変化させる必要があった。チームにはほかにもパワフルなストライカーであるエヴェラウドや技巧派の染野 唯月が在籍している。また、中盤には運動量の多さと球際で激しく戦える仲間 隼斗も復帰。第1戦はベンチ外となったがディエゴ ピトゥカも練習からハイパフォーマンスを見せている。
堅守を誇る福岡に対し、点を取らなければいけない状況の鹿島がどうやって崩していくのか。そこに第1戦で福岡が1-0とリードしている条件が絡んでいく。最後まで目の離せない90分となりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]

