福岡は前節、今季最多となる3得点を挙げた。長谷部 茂利監督は4点目を狙いにいく指示を出したと言うが、それだけいまの攻撃力に自信がある証拠。攻撃面の好調について長谷部監督は、「繰り返すことで少しずつ上達して、それが目に見えてきた。繰り返してきたことが『正しかった』と思える現状」と見ている。
そして、8ゴールでチームトップスコアラーの山岸 祐也は攻撃力アップの要因を「いろいろな要素があってのものだと思うが、みんなの『良くしたい』という気持ち、それを実現するための行動や振る舞いがあったからだと思う。特に選手間の細かいすり合わせが成果として出てきたんじゃないか」と分析している。
いずれにしても、一朝一夕ではなく長い時間をかけて積み上げてきた成果だからこそ、1試合だけで終わらない、継続性を期待できる力だとも言える。前節で2ゴールの活躍を見せた紺野 和也が「柏戦の1点目のようなテンポで、しかもダイレクトでボールを動かすことができれば、鹿島に限らずどのチームに対しても崩すことができると思う」と話すように、鹿島の堅い守備陣に対しても、自信を持って勝負を仕掛けていくことができる十分な攻撃力が備わってきた。
柏戦はコンディション面を考慮してメンバーから外れた主将の奈良 竜樹は、2020年に鹿島に在籍した経験を踏まえて、古巣とのゲームにおけるポイントを「一人ひとりの勝利に懸ける思いが強いのが鹿島。だから、局面のバトルは常に激しいものとなる。そこで負ければ試合には勝てない。そこで“引き分け以上”に持っていくことが勝利の最低条件となるはず」と話している。
ともに局面でのバトルを重要視するチームである上、鹿島が前節での逆転負けを受けて攻守両面でさらなるパワーアップを意識してくると考えられるので、各所でバチバチの火花を散らすことになりそうだ。
このゲームの結果によっては、福岡と鹿島の順位が入れ替わる可能性があるという事実も内容に影響してくるかもしれない。勝てば鹿島を抜ける福岡はそれが大きなモチベーションに、また積極性を引き出す材料になるはずだし、鹿島は負けられないという精神的な圧力がマイナスに作用するかもしれないし、鹿島というチームだからこそ、その圧をエネルギーに変えるのかもしれない。置かれた立場がもたらすメンタル的な作用にも注目したい一戦だ。
今季の同カードはJリーグYBCルヴァンカップを含めて1勝1分1敗の五分。この一戦で今季の決着をつけたいという思いがどんな結果をもたらすのか、非常に楽しみな一戦となる。
[ 文:島田 徹 ]


