札幌は前節、アウェイで名古屋と対戦して2-0で勝利している。堅守速攻が特徴の名古屋に対し、あえてボール保持をさせることで彼らのストロングを抑制。ときおり、ゴールポストに助けられる危険なピンチが幾度かあったものの、そうした中でも慎重に試合を進め、35分に駒井 善成が先制点を決める。後半も前半同様に落ち着いた試合運びを演じ、88分には鈴木 武蔵が追加点を奪った。前述のようにピンチはあったものの、試合全体としてはプランどおりにうまく勝ち切ったと言えるだろう。
順位こそ19位から変わっていないものの、逆転でのJ1残留を目指す札幌にとっては非常に貴重な勝点3だった。前々節・G大阪戦は1点リードで迎えた後半アディショナルタイムに2失点を喫して敗れており、ともすればそこから悪い流れになりかけても不思議ではなかったが、名古屋戦で勢いづく可能性は多いにある。
一方、日没以後はかなり肌寒さが出てきた11月の札幌市内に乗り込むC大阪は前節、ホームで磐田と対戦し、1-2で敗戦。開始早々にゴールキックでミスが出て失点を喫するというアクシデントがあり、そこからなかなかリズムを取り戻せないまま試合を進めてしまった。後半に入ってもギアが上がらず、71分には追加点を奪われてしまったが、終盤に入ってからはシンプルに相手ゴールに迫るプレーを増やすと、88分にレオ セアラが今季自身21得点目を決めて、1点差に迫る。その後も好機を作り続け、終了間際にはPKを得たが、相手GKの好セーブによって阻まれてしまい、追いつくことはできなかった。
前節については、あまりにもC大阪らしくない試合をしてしまったと評するべきだろう。夏場には疲労からか、スキの多いゲームが目立っていたが、9月以降はどの試合でも攻守ともに引き締まった内容を見せていただけにもったいない試合だった。ただし、立ち上がりのミスは再現性のある類のものではないため、気持ちを切り替えて再度引き締まった戦いを演じ、今季限りでの退任が発表されている小菊 昭雄監督との残り試合を良い形で締めくくりたい。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、絶対的なカギとなるのは先制点だろう。降格圏内からの脱出を狙う札幌はここ最近しっかりと守備ブロックを作り、相手に先手をとらせない戦いが奏功している。この試合でも同様の戦いを仕掛けることが想定されるため、そこに対してC大阪がどのように攻め込んでいくのか。ただし、攻め込む意識が強くなり過ぎると、もともと攻撃的なスタイルのチームである札幌のカウンターに襲われる可能性があるため、先制点同様に、C大阪の攻守のバランスもまた重要なカギとなりそうだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]

