札幌は前節、アウェイで広島と対戦して1-5で大敗。他会場の結果により前日にJ2降格が決まってしまうという難しいシチュエーションだったことが影響したのか、立ち上がりに先制を許す。前半中頃からは一時的にペースをつかみ、鈴木 武蔵のファインゴールで同点とするも、前半終了間際にリスタートから失点。後半は逆転優勝を目指す広島の勢いに押されてしまい、3失点を喫してしまった。
やはり前日に降格が決まってしまった難しさは大きかっただろう。終盤戦の札幌は守備の安定を見せていたはずが、この試合では広島に大量得点を許してしまった。もちろんプロである以上は、どんな状況でも結果が求められることは間違いないが、現実問題としてそれは口で言うほど簡単ではない。必死で求めた目標を達成する可能性がついえた直後は、誰がやっても難しいはず。だからこそ、そこから1週間が空いてのこのホームでの最終節は気持ちを切り替え、前節のぶんも埋めるほどの熱いパフォーマンスに期待したい。
一方、12月の北海道に乗り込む柏の前節は、ホームで神戸と1-1のドロー。優勝を争う神戸を相手に開始早々にCKから木下 康介が決めて先制すると、そこからは持ち前の粘り強い守備ではね返し続ける。柏はこの試合に勝利すればJ1残留が確定することもあり、強い闘争心で堅守を構築していた。だが、90+2分にジエゴが退場処分を受けて数的不利になると、90+10分にゴール前の混戦から武藤 嘉紀に蹴り込まれてしまい、痛恨のドロー。18位の磐田が勝利を収めたため、残留確定は持ち越しとなってしまった。
これで柏は神戸戦を含めてなんと5試合連続で後半アディショナルタイムに失点。その5試合は引き分けもしくは1点差負けであり、かなりの勝点数を目前で取り逃していることになる。だが、逆に考えればここ最近では完敗した試合がまったくないわけであり、そうした部分はポジティブに捉えていいはずだ。足りていない部分は完全に明確になっている。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、焦点としては札幌の攻撃と、柏の守備とのぶつかり合いを挙げたい。残留を争う柏はライバルチームよりも得失点差で優位に立っていることもあり、持ち前の堅守を発揮して失点せずに試合を進めれば、その優位性はより生きることになる。対する札幌の武器は、やはり攻撃姿勢だ。今季はなかなかそれを数字に反映することができてはいないものの、守備から攻撃へと転じた際に後方からもどんどん選手が駆け上がっていくスタイルは迫力がある。ホームでの最終節ということもあり、その姿勢をより色濃く発揮してくることが想定できる。これら双方の武器の激突は非常に興味深い。
肌寒い冬の札幌市内で行われる一戦だが、熱を帯びたバトルになることは間違いなさそうだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]

