『フライデーナイトJリーグ』として行われる今回の“大阪ダービー”はチケットが早々に完売。いまだ真冬の寒さが続く中、2月14日にパナソニック スタジアム 吹田で行われる明治安田J1の開幕戦は、両チームの選手とサポーターによる熱気に満ちた特別な空間になるはず。そして、“大阪”の名をかけた熱い戦いになることも必至だ。
G大阪は昨季、J1で4位になったほか、天皇杯では準優勝と好成績を収め、選手個人で見れば宇佐美 貴史と中谷 進之介がJ1ベストイレブンに選出されるなど充実のシーズンになった。就任3年目のシーズンを迎えるダニエル ポヤトス監督は「ゼロからのスタート」と新たなチャレンジへの思いを口にする。昨季はリーグで2番目に失点が少ない堅守をベースに躍進した中、攻守でチームを支えたダワンと坂本 一彩が今オフに移籍。チームのスタイルに大きな変化はないが、昨季とは異なるレギュラー陣になるのは間違いない。攻撃面では、昨季圧巻のパフォーマンスを見せた宇佐美 貴史が軸であることはもちろん、イッサム ジェバリと山田 康太に加えて、大物ルーキーとして期待される名和田 我空も注目の存在だ。
ピンポイントで行われた補強の目玉はやはり、日本代表への招集歴がある奥抜 侃志。大宮時代にJ2でのプレー経験はあるものの、J1では出場経験がないため、開幕戦でピッチに立てば記念すべきJ1デビューとなる。両ワイドのポジションはウェルトンや山下 諒也ら実力者がそろっているが、奥抜 侃志は開幕スタメンの可能性も十分にありそうだ。左サイドでコンビを組む黒川 圭介も攻守両面での連係について手ごたえを口にしている。
今季の公式戦初戦となるだけに完成度は不透明だが、今季のG大阪が目指すのは、より相手陣深くでのボール奪取。「明らかにストロングな両ウイングがいるので、彼らを前線に残すことができれば、去年の最終節の広島戦のような戦いができる」と中谷 進之介は話す。
一方のC大阪は、“大阪ダービー”に抜群の相性の良さを持っていた小菊 昭雄監督が昨季限りで退任し、オーストラリア国籍のアーサー パパス監督が新たにチームを率いる。横浜FMのコーチ、ヘッドコーチや鹿児島で監督を務めた指揮官が目指すのは、攻撃的なスタイルの構築である。
昨季はJ1で10位に終わり、総得点は京都、札幌と並んでリーグで3番目に少ない『43』。21ゴールを挙げてリーグ得点ランク2位だったレオ セアラが鹿島へ移籍したことが不安材料となる一方、チアゴ アンドラーデやラファエル ハットンというブラジル国籍アタッカーなどが加わった。チームの顔である香川 真司のほか、アカデミー育ちでプロ4年目を迎える北野 颯太も、大阪のライバルに対して強い気持ちでプレーするだろう。
一昨季までC大阪でプレーした、G大阪の鈴木 徳真は言う。「勝つことで僕たちにも勢いが出るし、サポーターにとっても後押ししやすい状況になるので、結果をしっかりと求めたい」。
パナスタよ、沸騰せよ――。両雄にとって単なる1試合ではなく、それ以上の重みを持つ開幕戦であるのは言うまでもない。
[ 文:下薗 昌記 ]
