神戸が鮮やかな勝利を飾った11日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第7節。本拠地で上海海港(中国)を迎撃すると、開始11分に昨季のJ1最優秀選手賞を受賞した武藤 嘉紀が先制点を挙げるなど、序盤から相手を圧倒。完全にゲームをコントロールし、後半に入ると鍬先 祐弥、汰木 康也、そしてエースの大迫 勇也も決めるゴールラッシュ。守っては相手のシュートを2本に封じる無失点で、攻守盤石の勝利を飾っている。
その3日前の8日には、国立競技場で広島とのFUJIFILM SUPER CUPに臨んだ。新加入選手や若手も多く先発した試合だったが、0-2で敗戦。広島戦はベンチで90分を終え、上海海港戦に先発した扇原 貴宏は「FUJIFILM SUPER CUPでイヤな負け方をしてしまっていたので、今日の試合に懸ける思いは強かった。ただの1試合じゃなく、今季もう一度優勝を狙うという意味でも大事な試合だった。悔しさをこの試合で晴らせたと思う」と勝利の意味を伝える。
さらに、「選手層という意味でも、今日の試合を見て刺激を受けた選手もたくさんいると思う。こういう試合を続けていければリーグ戦でも勝っていけると思うので、自信を持っていく部分と修正する部分と、そういうところを踏まえて次に向かっていきたい」とも続けた扇原 貴宏。その言葉には今季の神戸の大きなテーマが内在している。
FUJIFILM SUPER CUPを皮切りに、神戸は公式戦8連戦に突入(ACLEのラウンド16進出が決定したため)。山口 蛍(→長崎)、菊池 流帆(→町田)、初瀬 亮(→シェフィールド・ウェンズデイFC/イングランド)と中軸の3人がチームを離れた中、“2チームぶん”の戦力を確立することが喫緊の課題であり、“突き上げる”選手の台頭が期待されている状況。上海海港戦は主力選手たちのすごみがピッチを席巻した試合でもあり、それをチームの誰もが大きな刺激として受け止めた。それは成長への確かな経験値となるだろう。リーグ開幕を目前にする中、豊富な熱量を宿したことはプラス材料。迷うことなく、チーム一丸で浦和との必勝戦に挑むことになりそうだ。
一方、昨季途中に二度目の就任を果たしたマチェイ スコルジャ監督率いる浦和。Jリーグ屈指の名門クラブが目指すのはタイトル獲得だ。そのために積極的な補強を実施している。
広島から獲得した松本 泰志は攻撃のセンスに優れ、ゲーム管理を含めて浦和のオフェンスにアイディアや大胆さを持ち込むことは確実。さらに、マテウス サヴィオの補強はハイライトだろう。柏で圧倒的な存在感を見せてきたブラジル国籍プレーヤーは、神戸を相手に何度もハイパフォーマンスを見せてきた。彼のフィット次第で浦和のすごみが段違いに高まることは間違いない。
各ポジションに実績ある選手やフレッシュなプレーヤーを加え、戦力の充実度ではJ1トップクラスの印象さえ抱かせる浦和。6~7月にはFIFAクラブワールドカップも控える今季、19年ぶりのリーグ優勝へ、王者撃破ではずみをつけたいところだ。
[ 文:小野 慶太 ]
