「非常に痛い敗戦で申し訳なく思っています」(ダニエル ポヤトス監督)。C大阪との“大阪ダービー”で過去最多の5得点を許し、完敗を喫したG大阪。今季から新たに取り組むハイプレスが機能せず、間延びしたことで生じたスペースをC大阪につけ込まれて大量失点を喫した開幕戦は、前線のキャスティングを含めたチームの戦い方に課題を残した。
「プレッシャーを前から行くところと行かないところをハッキリさせることもあるが、足りなかったところは1つや2つじゃない」(宇佐美 貴史) 「プレッシャーに行き過ぎたという話はしたし、合わせようという話をみんなでした」(福岡 将太) C大阪戦後に、チーム内で意思統一を図ったというG大阪だが、福岡戦もウェルトンやファン アラーノの出場は微妙。宇佐美 貴史が前線の軸であることは不変だが、ダニエル ポヤトス監督が起用する顔ぶれを微修正する可能性はありそうだ。
前線でのボールの収まりを考えればイッサム ジェバリにもチャンスはありそうだが、守備の強度を考えれば倉田 秋が左サイドやトップ下で起用される可能性も十分。また、C大阪戦でJ1デビューを飾った奥抜 侃志も攻撃面で輝きを見せたいところである。
開幕戦では就任初戦となったアーサー パパス監督が率いるC大阪に遅れを取った中、今節迎え撃つ福岡も金 明輝新監督の下で戦う2試合目。戦術の浸透度ではG大阪に分があることは間違いない。前節は“大阪ダービー”での開幕戦という特別な舞台ゆえに空回りした感があったが、ハイプレスのメリハリとコンパクトさを意識すれば、おのずとチームが狙う展開に持ち込めるはずだ。
一方の福岡は開幕戦で柏に0-1で敗れた。「大事な開幕戦ということで準備してきたことを、ミスを恐れて、容易にボールを相手に渡すシーンが前半から多かった」と金 明輝監督は悔やんだが、新たに取り組むスタイルをより明確に打ち出すべく、パナスタに乗り込んでくるはずだ。
金 明輝監督がヘッドコーチを務めた町田では昨季、G大阪に対して1勝1分と負け知らずで、当然スタイルは熟知している。注目はG大阪の左SB黒川 圭介と福岡の右ワイド・紺野 和也によるマッチアップである。
ともに1997年生まれで、大学サッカーでも鎬を削り合ってきた間柄。開幕戦でスーパーゴールを叩き込んでいる黒川 圭介はカギとなるマッチアップに向けて「攻撃だけでなく、守備でもアグレッシブに行きたい」と意気込んでいる。
戦い方の引き出しを増やすことに取り組むG大阪と、新監督の下で新たなスタイルを確立したい福岡。「まず僕らは1勝しないといけない」と話す黒川 圭介の決意は、両チームの選手に共通する思いである。
今季初勝利を手にするのは果たして――。
[ 文:下薗 昌記 ]
