前節、C大阪との“大阪ダービー”に敗れ、4連敗中。いまだJ1残留が決まっていない14位・G大阪に対して、8位・福岡はJリーグYBCルヴァンカップで悲願のクラブ初戴冠を果たし、タイトルホルダーの肩書きとともにアウェイに乗り込んでくる。
今季二度目の5連敗の危機が迫るG大阪だが、今節で勝てばJ1残留が決定する。本来は残留を目標にするクラブでないのは言うまでもないが、「去年もハラハラした展開で最終節まで分からない状況だった。選手も苦しかったし、なるべく早く残留を決めたい」という鈴木 武蔵の言葉は選手全員の本音であろう。
ただ、福岡戦は来季も指揮を執ることが決まっているダニエル ポヤトス監督にとって悩みが尽きない状態だ。
出場停止となるネタ ラヴィとダワンに加えて、イッサム ジェバリとファン アラーノは万全ではなく、欠場の可能性が高まっている。夏場の躍進を支えた外国籍選手抜きでのチーム構成が注目ポイントになりそうだ。
もっとも、ポジティブな要因も存在する。「守備ももちろんだけど、攻撃面でもう少し良いアクセントになりたい」と話す半田 陸にとっては、コンディションを高める2週間になった。また、イッサム ジェバリに替わって1トップを託される可能性がある鈴木も負傷が癒えて、戦線に復帰。9月2日の第26節・札幌戦以来となる出場に向けて準備を整えている。
C大阪戦では前線からの守備がハマらず、後手を踏んだが、イッサム ジェバリと異なる強みを持つ鈴木は「自陣で引き込んで守備をするより、高い位置で奪うことが得点に直結する」と最前線で攻守に貢献する決意を口にしている。
4連敗中に奪った得点はわずかに『1』。拙攻が続く攻撃陣とは対照的に、守備陣は大崩れしていないが、要所で踏ん張り切れていないことも事実。東口 順昭、三浦 弦太ら経験豊富な守備の要が、福岡の鋭い攻撃に対して踏ん張ることも不可欠になるだろう。
前回対戦はG大阪が2-1で逆転勝利。ダニエル ポヤトス監督は福岡の紺野 和也対策として、右SBが本職の半田をあえて左サイドで起用した。ルヴァンカップ決勝で2アシストの活躍を見せた紺野への対応策も見どころの1つになる。
一方、“王者”福岡にとってはリーグ戦での連敗を止めて、さらに上位に食い込む上で重要な一戦だ。前節は横浜FMに0-4で敗戦。守備の軸・ドウグラス グローリの出場停止は痛手だが、ハードワークをベースとするスタイルに揺るぎはない。
また、かつてG大阪でプレーした井手口 陽介にとっては古巣戦になる。圧巻の運動量で攻守においてチームを支えるだろう。
チームの完成度と勢いは福岡が上。ただ、G大阪にとっては意地を見せるべき一戦だ。
[ 文:下薗 昌記 ]
