湘南との開幕戦で良いところがなかった鹿島は、前節で戦い方を現実的な方向へシフトしたことが功を奏した。その理由を鬼木 達監督は「いま選手がやれることによりフォーカスしながら、その中で取り組んでいることをやれればと。湘南戦が終わったあと、自分自身が感じたことでした」と話す。2トップの強さを生かしたロングボールを織り交ぜながら、下からつなぐときはボールを受ける意識が高い樋口 雄太がチーム全体を前進させていく。コンパクトさを維持した陣形はボールを失ったあとの守備の鋭さももたらし、相手に何もさせない完勝だった。
ただ、うまく機能したのはたったの1試合。目標とするタイトル獲得のためには、これを継続していくことが求められる。その意味では、まだ勝利がない新潟が相手ではあるものの、今回も「難しい相手であり簡単ではない」(鬼木 達監督)試合になることが予想される。
今季より樹森 大介監督が率いる新潟はここまで未勝利だが、試合内容は決して悪くない。前節・清水戦は、26分に秋山 裕紀が危険なタックルによってレッドカードを受け、長時間1人少ない中で戦うことを余儀なくされてしまった。「退場者が出るまでの時間帯は決して問題ないゲーム内容だったと思いますし、自分たちがやろうとすることができていました」(樹森 大介監督)と手ごたえを感じる戦いを見せていただけに、そこから2失点を喫しての敗戦は悔しさが募る。
そんな新潟に対して、鬼木 達監督は「ボールを保持する力や考え方は選手に染みついている。開幕から勝利はないですけど、内容的にはどの試合も新潟がストロングを出している」と話す。鹿島に相手を侮る気持ちはなさそうだ。
連戦となるため、互いにメンバー構成は気になるところだ。開幕してからコンディションに問題を抱える選手が増えている鹿島は、そこまで多くの選択肢を持つことはできないかもしれない。開幕戦では先発だったが前節はベンチスタートだった荒木 遼太郎や師岡 柊生を、快勝したチームにどう組み込んでいくかが注目される。
過去の対戦を振り返ると、リーグ戦では鹿島が現在11試合連続負けなし。その内訳は9勝2分と、圧倒的な結果を積み重ねている。直近の対戦となる昨季の明治安田J1第33節は、ランコ ポポヴィッチ元監督が3バックを採用した鹿島が4-0で快勝するも、この試合を最後に同監督の解任が発表されるという記憶に残る試合でもあった。それからお互いに新監督を迎えており(鹿島は中後 雅喜監督を経て、今季から鬼木 達監督が指揮。新潟は今季から樹森 大介監督が指揮)、4カ月余りしか経過していないとは思えない。先に一歩を踏み出した鹿島がそのまま歩みを進めるか、それとも新潟が新たな一歩を踏み出すか、注目の一戦だ。
[ 文:田中 滋 ]

