前回対戦は明治安田J1第18節。県立カシマサッカースタジアムで対戦し、1-1で引き分けた。この試合で主導権を握ったのは新潟。得意のパス回しで鹿島のハイプレスをかわし、43分に小見 洋太の得点で先制に成功。その後も新潟ペースで進んだが、後半開始早々の50分、藤井 智也に同点ゴールを決められ、勝点1を分け合っている。
ホームの新潟は3連敗中。その3試合は3得点11失点と、失点の多さが目立つ。前々節・神戸戦は2-3で敗れたものの、内容は悪くはなかった。先制された中で新潟らしい崩しから2点を決めて逆転。しかしリードを広げるチャンスをモノにできずにいると、守備を修正した神戸に追いつかれ、後半アディショナルタイムに与えたセットプレーから勝ち越し点を奪われて逆転負け。ワンチャンスを決め切る力の差を痛感した。
前節・川崎F戦でも先制を許すと、立て直せずに計5失点。失点がかさむにつれてボールを前から奪いにいくのか、いったん相手に持たせてブロックを引くのかという判断がチーム内でそろわず、攻め急いではカウンターを受け、間延びしたスペースを相手に使われて傷口を広げた。それでも、相手の背後を取った星 雄次のクロスから太田 修介が1点を返し、意地は見せた。
ここ3試合は、長い距離のパスを奪われてカウンターを受ける機会が続いている。松橋 力蔵監督は「状況に応じて手法を変えることは大事だが、勝つためには自分たちの良さを大事にやっていく」と、今週のトレーニングではあらためてポゼッションに意識を向けるアプローチを行った。新潟らしく、「攻守に助け合える距離感を保つ」(堀米 悠斗)ことが、組織的なサッカーで結果を出してきたチームの復調につながるはずだ。
プラス材料は、前節は出場停止だったボランチ・宮本 英治の復帰。攻守の切り替えとボール奪取力で存在感を見せている選手が戻ってくることでどう変わるか。また攻撃陣も、前節は小見が途中出場で流れを作り、同じく途中出場の太田は戦線復帰後初得点をマークする活躍を示した。彼らに加えて離脱していたダニーロ ゴメスや松田 詠太郎が戻ってきたことで選手起用の選択肢が増え、攻撃のバリエーションを増やして今節に向かうことができる。
アウェイの鹿島はここ6戦未勝利と、数字を見れば苦しい状況が続いている。首位との勝点差が『12』で、1試合未消化のため、残りは7試合。優勝争いに食い込むためにも、勝ってはずみをつけたい一戦だ。
前節・湘南戦は2点を先行しながらも、3点を返されて逆転負け。この試合で2得点を挙げ、鈴木 優磨(12得点)に次いでチーム2位の9得点を積み上げている濃野 公人が終盤に足を痛めて交代し、1日に右膝外側半月板損傷との診断結果が公式発表された。開幕戦から全試合でスタメン起用されていた右SBの離脱は大きな痛手。前節は濃野の交代後、3バックに変えて対応していたが、今節はどういった形になるか。
4バックであれば、須貝 英大の右SB起用が考えられる。チャンスを得て、流れを変える男になれるか。新潟は同サイドでマッチアップするのが長谷川 元希になる可能性がある。甲府時代に大卒ルーキーの同期として高め合った仲間と、J1の舞台でぶつかり合う場面が訪れたならば、見どころの1つになる。
また、全得点のうち約4割を占めるセットプレーは鹿島の強み。前回対戦でも、相手のスローインから背後を取られたところを起点にゴールを割られた新潟は、流れが止まったプレーのときこそ警戒したい。
[ 文:野本 桂子 ]

