FC東京戦から一夜明けた23日のリカバリー練習を終えたあと、取材に応じた守護神の谷 晃生はホッとした様子でこう語った。
「どんなチームもシーズンが始まって最初の1勝にたどり着かないことは多くありますし、なかなか勝てないことが悪循環になってしまうこともあります。早い段階で1勝できたことは、チームにとって、とてもプラスなことだと思います」 FC東京戦は無失点で試合を進め、少ないチャンスをモノにする“黒田式勝利の方程式”どおりの勝ち方で貴重なシーズン初勝利につなげた。「新加入の(西村)拓真が決めたことが大きい」とチーム主将の昌子 源が言うように、新戦力の決勝点で勝ち切った価値は計り知れず、チームが上昇気流に乗る好材料となるに違いない。
ホームの町田としては、開幕2連敗中の東京Vを相手に、機先を制してダメージを与える展開に持ち込むことが勝利への近道か。ただ、仮に先手をとれなくても、「0-0で長い時間進むことは決してネガティブな展開ではない」と昌子 源。無失点で試合を進めて最後に勝ち切った前節の成功体験も、中3日での連戦を戦うチームの精神的な拠りどころになるだろう。「粘り強く戦う」とは黒田 剛監督の言葉だ。
一方、アウェイに乗り込む東京Vは苦しいシーズンスタートに。0-1、0-4と開幕2試合で1点も取れず、失点が重なっている点は気がかりだ。昨季の同じ昇格組として、また近隣にホームタウンを置くライバルとしても、昨季のシーズンダブルの雪辱を果たそうという気持ちは強いはず。開幕2連敗を挽回しようという姿勢も含めて、追い込まれた者の強みは町田サイドも警戒している。「昨季のシーズンダブルや前節(・鹿島戦)の0-4での敗戦がある中で、ヴェルディさんも相当強い気持ちで臨んでくるはず」とは谷 晃生の言葉だ。
10日のJリーグ開幕イベントに出席した森田 晃樹主将はJ1での2年目のシーズンに向けて、プレシーズンでは「強度や今までやってきたことをレベルアップさせることにも注力してきた」と明かした。ワンプレーの重要性をコツコツと積み重ねて勝機を手繰り寄せるのは東京Vのチームカラーだが、ゴール前の攻防を制する粘り強さが影を潜めている点は気がかり。それでも、百戦錬磨の城福 浩監督のことだ。短い準備期間の中で修正力を発揮し、開幕2試合とは違ったチームの姿に変えてくるに違いない。
ともに[3-4-2-1]のシステムを採用し、1対1の局面における攻防は試合を制する上で1つのキーポイントになるだろう。その中で町田の前 寛之と東京Vの森田 晃樹による“ボランチ対決”は必見。前 寛之は「ボールを持ったときの感覚が素晴らしい森田選手の特長が出る時間を与えないことが大事」と言葉に力を込めた。
[ 文:郡司 聡 ]
