今季、C大阪はアーサー パパス新監督を迎え、“アタッキングフットボール”を旗印に掲げてスタートした中、ここまで4試合を終えて奪った得点はリーグ最多の『9』。J1得点ランクトップタイの3ゴールを挙げている北野 颯太を筆頭に6選手が得点を記録するなど、看板に偽りなしの破壊力を見せている。シュート決定率19.6%は2位以下を大きく引き離すリーグ1位の値であり、ゴール期待値は同5位、1試合平均パス数は同3位、1試合平均ドリブル数は同3位タイ、1試合平均スルーパス数も同4位と、オフェンスのスタッツは軒並み高い。「1試合を通して“前へ、前へ”の姿勢を発揮していきたい」と話す指揮官の求めるフットボールを選手たちが体現している。前節・新潟戦も、1-2で迎えた後半アディショナルタイム、簡単に前へロングボールを蹴るのではなく、下からつないで押し込むと、複数の選手がゴール前に入って同点に追いついた。「自分たちが積み上げてきたことを最後まで貫いてゴールを奪えたことは素晴らしかった」と、指揮官も選手たちの姿勢を称えた。
もっとも、8失点はG大阪と並んでリーグで下から2番目に多い数字であり、開幕から4試合連続で2失点と、毎試合複数失点を喫している点は気がかり。1試合平均被シュート数もリーグ1位であり、ゴールへ迫られている回数自体も多い。失点パターンとしては、保持の途中で奪われて、前がかりになった背後のスペースを狙われる形。同サイドでボールを奪い切れず、逆サイドに展開されて数的同数で突破される形。いずれも攻から守に切り替わった瞬間、カバーし切れずにシュートまで持っていかれるケースが目立つ。リスクは承知の上でリターンを求める戦いを志している以上、致し方ない面もあるが、安易な失点は減らしていきたい。CB、SBが個としての守備力を上げることやカバー範囲を広げることもそうだが、ボールの失い方も含め、相手のカウンターを食らうシチュエーションを減らすことも重要だ。
対する名古屋は昨季の主力がほぼ残留した上、マテウス カストロの復帰などによって分厚い陣容を整え、15年ぶりのJ1優勝を目標に今季をスタート。しかし、アウェイで迎えた川崎Fとの開幕戦で0-4の敗北を喫してつまずくと、以降も1分2敗と勝利がない。4試合を終えてFW陣にゴールがなく、11失点はリーグワーストだ。歯車がかみ合わず、攻守両面で課題を抱えていると言えるが、攻撃陣を中心にタレントはそろっており、地力はあるチーム。「きっかけを作る試合をできれば、その先に未来が待っていると信じて戦っていきたい」と前節・町田戦後に長谷川 健太監督が述べたように、まず1勝を手にすることで状況を好転させていきたい。
チームの色はハッキリするも、安定感に欠けるC大阪と、今季のストロングポイントを模索中の名古屋。置かれた状況こそ異なるが、ややスタートで出遅れた感は否めない両チーム。未来を切り拓く勝点3をつかむのはどちらか!?
[ 文:小田 尚史 ]


