開幕からJ1とAFCチャンピオンズリーグエリートを同時並行で戦ってきた神戸。公式戦の連戦が重なった過密日程や選手起用の難しさで成績が安定せず、リーグ戦では5試合を消化して1勝3分1敗と本来の力を発揮できていない。ただ、前節は3月5日に加入したエリキがいきなりの2得点と活躍し、2-1で湘南を下して今季初勝利。吉田 孝行監督は「今日はまずは内容よりも結果が大事だなと思っていました」と結果が出たことを喜んでいた。
神戸はそこから2週間弱、試合間隔が空いた。シーズンが始まって以来、コンディション調整に苦しんでいた彼らにとって、ここで一度休息をとり、今節に向けた準備に時間をかけることができたのはプラス材料となるだろう。
それは、迎え撃つ鹿島の鬼木 達監督も強く意識するところだ。
「少し連戦で疲れがあったと思いますけど、今回、自分たちとやるのはベストな状態の神戸だと思う。自分たちがチャンピオンにどれだけチャレンジャーとして戦えるかが一番重要だと思う」 神戸にとって、今季は3連覇を目指すシーズンでもある。そして、Jリーグの歴史上3連覇を果たしたクラブは鹿島のみ。かつて川崎Fを率いて二度の2連覇を果たし、いずれも3連覇まで手が届かなかった経験を持つ鬼木 達監督は、この対戦に対する意気込みは強い。
「3連覇は鹿島しかしていないもの。それでこのクラブに来ているので、やっぱりそこは思いがありますね。チャンピオンと戦える2試合は、自分たちでなんとかできるゲームです。その2試合をしっかりと大事にしなきゃいけないと思っています」 鹿島はこの対戦を“ビッグマッチ”と位置づけ、持てる力のすべてをぶつけるつもりだ。
鹿島は20日にJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦・栃木C戦を戦っているため、神戸ほどの準備期間はなかったが、それでも課題である攻撃面の質の向上に時間を割くことができた。相手を見て戦う取り組みはまだまだ発展途上ではあるものの、顔を出すタイミングや走るべきコースを少しずつ共有できてきた。試合の中で意図が合う瞬間も1回、2回と回数を増えている。守備の強度が高い神戸に対して、球際の戦いだけでなく、そうした意図した崩しでも対抗したい。
鹿島は昨季、ホームでのリーグ戦で12年ぶりに神戸に勝利を挙げたが、アウェイでは1-3と完敗を喫し、その後の天皇杯準々決勝でも0-3と手も足も出なかった。日常の強度や視座の高さは鹿島が理想とする相手でもある。鬼木 達監督に率いられ、少しずつ変化を見せ始めたチームは王者相手にどういった戦いを見せられるだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

