清水は、横浜FMがサウジアラビアで集中開催されるAFCチャンピオンズリーグエリートファイナルズに参戦するため、16日に明治安田J1第12節を前倒しで戦った。51分までに2点のリードを許す苦しい展開を強いられたものの、ハーフタイム明けからピッチに送り出された乾 貴士を中心に怒とうの反撃を見せ、3-2と今季初の逆転勝利。試合後のフラッシュインタビューでは、アウェイであったため少々控えめではあったものの、秋葉 忠宏監督から“名言”の「This is football」が飛び出すほど、チームにとって会心の1勝となった。
この勝利により、4勝3分4敗に。開幕前にクラブが目標として掲げた順位の10位につけるなど、ここまでは順調と言っていい戦いを続けられている。
一方で、福岡は16日にJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・栃木SC戦を戦った。前節・横浜FM戦から大幅にメンバーを入れ替えながら、アウェイで2-1と白星をつかみ、公式戦4連勝を達成。リーグ開幕3連敗とスタートダッシュに失敗したのはもはや過去の話で、第4節・神戸戦の勝利を皮切りに、リーグ戦単体で見ても6勝1分とこれ以上ない好成績を収めている。清水の宇野 禅斗は「首位に立つチームにはそれ相応の理由がある」と話していたが、間違いなくいまの福岡は金 明輝新監督が落とし込んだ新たなやり方に大きな手ごたえを得ている段階だろう。
そんな福岡について、清水の秋葉 忠宏監督は「とにかくリスクを排除したサッカーで、非常に堅いチーム」と語る。実際、福岡が今季リーグ戦でつかんだ6つの白星はすべて1点差でのもの。2-1で勝利した前節を除くと、5つが“ウノゼロ”で逃げ切っている。
このようなデータを踏まえると、サッカーにおいて常に重要である先制点がより一層の意味を持つことになりそう。福岡は先にゴールを奪ったならば、持ち前の堅守を武器に“自分たちの土俵”で戦える自信を持っている。
だが、清水は前述の横浜FM戦で逆転勝利。これまでは先制点を奪われるとなかなか盛り返すことができていなかったが、チームは1つの成功体験を得た。この価値について、秋葉 忠宏監督は「先に点を奪われたとしても、不測の事態に陥ったとしても、我慢強くやればひっくり返す力はある。もちろん先制点は大事ですが、自信を持って戦うことができます」と語っており、仮に福岡に先制されようとも、慌てることなく準備してきた攻撃を披露できるはずだ。
何よりも、清水にはホームゲームという大きなアドバンテージがある。弓場 将輝は「相手がどうであれ、僕らはホームで負けるわけにはいかない」と意気込んでいたが、公式戦8連戦の締めくくりが首位とのホームゲームなのだから、メンタル面でも良い意味で燃え上がれるに違いない。
清水がホームで今季三度目の勝利を手にし、サポーター・ファミリーと“勝ちロコ”を踊るか。それとも福岡が破竹の勢いを維持し、今季初のリーグ戦4連勝を飾るか。試合終了のホイッスルがその答え合わせの瞬間だ。
[ 文:榊原 拓海 ]

