開幕ダッシュに失敗し、連覇を狙ったJリーグYBCルヴァンカップでは、1stラウンド2回戦でカテゴリーが下のJ2富山に敗戦。サポーターが横断幕を掲示しないという異例の抗議を行った悩める名古屋だが、実は現在ホーム3連勝中。その間にあったアウェイ戦の内容と結果が芳しくなかったことで忘れられているかもしれないが、ホームでは今季3勝1分1敗とそれほど成績は悪くない。
勝てないアウェイ戦もすべてが悪かったわけでもなく、前節・鹿島戦(0●1)の前半は相手にほとんどチャンスを与えず、自分たちの得点機は何度もあった。一番の課題がそのチャンスを決め切れないことにあるのは間違いないが、相手が修正を施してきたことでリズムを保てなくなり、押し込まれて警戒していたセットプレーから失点を喫してしまうなど、良い時間が長く続かないことも修正が必要なところ。勝負のキワの部分で尖ることができず、試合を落としている印象である。
ただ、前節の前半はマテウス カストロがキレのあるプレーを見せて相手を困らせていた。リズムが独特であることによって味方もなかなかついていけないのは大きな課題だが、圧倒的な個人技で1人でゴールまで完結できる選手が貴重なのは間違いない。またマテウス カストロはブラジルでも比較的暑い地域の出身で、夏が大好きだという。気温の上昇とともにやはりコンディションを上げてきた。背番号10がチームのカギを握っていることに疑いの余地はないだろう。
「ここ最近は自分たちのストロングポイントを出せている。決め切れなかったことが問題で、チャンスを作ることができているのはポジティブに捉えるべき」だと、マテウス カストロの気持ちも前向きになっている。前々節・広島戦で見せたような“悪魔の左足”がさく裂すれば、ホーム4連勝を達成する可能性は高くなる。
アウェイの柏はここまで1敗で上位をキープしている。現在はリーグ戦7試合負けなし、ルヴァンカップを合わせると9試合負けなしだ。とはいえ、その間のほとんどで1点しか奪えず、複数得点はルヴァンカップ2回戦でJ3の福島と対戦したときだけだ。
前節・新潟戦は14分に先制を許したものの、前半のうちに見事な連係から渡井 理己のゴールで追いついた。ただ、その後チャンスは作っても決勝点を奪うことができずに1-1のドローで決着。しぶといとも言えるが、突き放せなかったとも言える試合だった。
柏の注目は、成瀬 竣平や久保 藤次郎、小屋松 知哉と名古屋に在籍した経験のある選手が多くいること。またGKの小島 亨介は名古屋のアカデミー出身。間違いなく彼らのモチベーションは高いはずだ。中2日という厳しい日程だが、古巣の本拠地でどんな活躍をするのか、どれほどの成長を見せてくれるのかを期待したい。
両者のリーグ戦における対戦成績は、直近9試合で名古屋が7勝2分と圧倒している。果たしてそのデータどおりに名古屋が勝利を収めるのか。それとも今季好調の柏が一矢を報いるのか。注目ポイントが多い一戦だ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
