名古屋は前節、浦和と対戦。後半の立ち上がりに先制を許したものの、終盤に稲垣 祥のPKで試合を振り出しに戻すと、アディショナルタイムに永井 謙佑がシュートを決めて逆転勝ちを収めた。この試合展開だけを見ると接戦のように思われるが、内容的にはほとんどの時間帯で名古屋が圧倒的にゲームを支配し、シュート数は24対3と大きな差が出た。古巣戦で今季初先発を果たしたキャスパー ユンカーも「過去2年間で一番良かった試合だったと感じている」と語っていたほどだ。
その中で課題になったのは決定力。前半だけで2ケタ近く得点になってもおかしくない場面があったものの、スコアボードは動かなかった。もちろんあくまで可能性の話だが、もし前半に先制点を奪うことができていれば、もっとラクな試合展開になっていたと考えられる。「この内容を10回続けたら9回はゴールを決められるのではないかという出来だった。あとちょっとの運があれば」と、無得点に終わったキャスパー ユンカーは悔しさをにじませた。やはり決めるべきところで決めること。それが今後の戦いの中でも重要になってくる。
とはいえ、最後の最後に勝ち切ったことに大きな価値がある。100点満点の内容でも結果として勝点を取り逃していたら、チームとしてもダメージがあっただろう。今節はその良い流れを継続していけるかどうか。1試合良かったからといってすべてが好転するわけではない。あの内容を2試合、3試合と続けてやっていけることをゲームの中で証明したい。
対する新潟は、ここまで3勝7分7敗で19位と厳しい前半戦となっている。Jリーグで初めて指揮を執る樹森 大介新監督の下、これまで積み上げてきた”新潟スタイル”を継続してきたが、敗戦は1試合を除いてすべて1点差。また、引き分けはスコアレスドローに終わった1ゲームを除いてすべてが追いつかれてのものと、勝負強さを発揮し切れていない印象だ。
それでも、湘南と対戦した前節は名古屋と同様に逆転勝利。31分、ボールをつないで星 雄次のシュートのこぼれ球を谷口 海斗が押し込んで同点に。71分には小見 洋太が決勝点を決めて、リーグ戦においてホームで253日ぶりの勝利を挙げた。
パスをつなぐスタイルの新潟としては、いかに名古屋のボランチに引っかからずに相手陣内にボールを持ち込めるかが1つのポイント。不用意なボールロストからカウンターを受けると当然守備は厳しくなる。リスク管理も徹底したい。
昨季のルヴァンカップ決勝では、多くのサッカーファンに感銘を与える試合をした両チーム。対峙することであのときの興奮を思い出すファンや選手も多いだろう。残留争いという厳しい状況に呑み込まれている中で、いかにサポーターに自分たちの存在意義をアピールするのか。名古屋は今季二度目の連勝を、新潟は今季初の連勝を目指す。
[ 文:斎藤 孝一 ]
