鹿島は天皇杯2回戦で群馬と対戦。ケガ人が多い苦しい台所事情ながらもチームの一体感は強く、鈴木 優磨のプロ初となるハットトリックもあって、4-0で群馬を寄せつけなかった。「このゲームが広島のゲームにつながる、という話をしていたので、選手が本当にそういう思いでやってくれたと思います」と鬼木 達監督。松村 優太に今季初アシストが記録され、このところゴールに結びついていなかったCKからの得点もあった。どちらも鈴木 優磨のヘディングでゴールが決まっており、彼にとってはひさびさの頭での得点。優勝を争うライバルとの一戦を前に、はずみがつく勝利と言えるだろう。
広島も天皇杯2回戦で快勝を収めて、この試合を迎える。Brew SAGAの挑戦を3-1で退けたというだけでなく、ケガが重なって出遅れていたマルコス ジュニオールが2得点で期待に応えた。「長い間出られずに苦しんでいましたが、こうやって復帰できました」と、自身の復帰を祝う2得点は、チームに勢いをもたらすだろう。突き放す3点目を前田 直輝が奪ったことも、チームの戦い方としても良かった。前節で川崎Fにリーグ戦での連勝を『5』で止められただけに、再び勢いを持ってリーグ戦を再開させる意味でも、鹿島に負けず劣らず良い勝ち方ができたと言えそうだ。ミヒャエル スキッベ監督も「本当に素晴らしい天皇杯2回戦でした」と手ごたえを口にしていた。
このわずかなリーグ戦中断期間の間に、両チームとも緊急補強を実施。鹿島はシント・トロイデン(ベルギー)から小川 諒也、東京Vから千田 海人を獲得。関川 郁万に続き安西 幸輝も長期離脱を余儀なくされたディフェンスラインに選手を補強した。クラブの素早いリカバリーにはチームを預かる鬼木 達監督も「一緒に戦ってくれている感じがする。非常に助かったというか、ありがたい」と感謝を口にする。また広島も柏から木下 康介を獲得している。木下 康介は早くも天皇杯2回戦に出場し、広島の選手としてデビューを飾っている。小川 諒也、千田 海人も登録が完了すればこの試合に出場することが可能となる。鬼木 達監督は「チームのために、というのはありますけど、まずは個人として自分の力を発揮してほしい」と期待を示した。天皇杯ではGKが2人ベンチ入りするなど、メンバー構成で鹿島はギリギリの状態が続いている。新加入の2人が加わったほか、U-20日本代表に招集されていた佐藤 海宏も急きょチームに復帰した。天皇杯ほどの苦労はないだろうが、余裕がない状態には変わりない。
そうした状態で迎える中2日での上位対決。「もっているものをすべてぶつけたい」と鬼木 達監督は言う。おそらく広島としても同じ気持ちだろう。
[ 文:田中 滋 ]

