鹿島は昨年8月から本拠地である県立カシマサッカースタジアムで勝利がない。今季もホームで2試合を戦い、川崎Fに逆転負けを喫すると、福岡戦は1人少ない劣勢を強いられながら攻め込むも、スコアレスドローにとどまった。勝利を願ってスタジアムに集まるサポーターの期待を裏切り続けている。
選手たちも勝利を届けられていないことに心を痛めている。U-22日本代表に招集され、欧州遠征から帰ってきた松村 優太は責任を痛感していた。
「ホームで勝てていないのは去年から続いていたりもするので、なかなかサポーターの皆さんに勝ちを届けられていないという責任はあります。ホームでの勝ちというのはサポーターの皆さんとともに作り上げていくものだと思いますし、自分たちがこれからも応援してもらうためにも、やはり勝たないといけないと思う。献身性、結果、すべてにおいて自分がスイッチになれるようなプレーをしていきたいと思っています」 鹿島は公式戦4試合勝ちなしと振るわない。今節が古巣対戦となる藤井 智也も「なんとかして勝ちたい」と強い気持ちを振り絞る。昨季2連敗を喫した広島相手に、違う姿を見せたいところだ。
対する広島はシーズンの出足こそつまずいたものの、G大阪、柏に連勝してチーム状態を上向かせた。前々節・G大阪戦ではナッシム ベン カリファと満田 誠に今季リーグ戦初ゴールが生まれ、敗れたもののJリーグYBCルヴァンカップCグループ第2節・名古屋戦では、川村 拓夢も今季初得点を決めている。攻撃陣に結果が出始めていることもチーム状態の良さを物語る。
昨季のこの対戦は、ミヒャエル スキッベ監督率いる広島が3-0、2-0とレネ ヴァイラー元監督率いる鹿島を寄せつけない戦いを見せた。高い位置からのプレッシングで優位性を見せると、ロングボールで前進を試みる鹿島を3人のCB陣が確実にはね返していく。県立カシマサッカースタジアムでの戦いも、中2日だった広島がスペースを与えない戦いで試合をコントロールすると、終盤に川村、エゼキエウが相次いでゴールを決めて勝利。レネ ヴァイラー氏はこの試合を最後にチームを去ることとなった。
ただ今季はここまで、岩政 大樹監督は対戦相手ごとに戦い方を変え、15分あたりまではほとんどの試合で優位に進めることに成功している。そこで先制点を奪えた試合は良い結果を得られていることが多いだけに、鹿島の出方と、それに対して広島がどう応じるかには注目が集まる。90分が終わったとき、どんな結末が待っているだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

