突然の別れだったため、チームには動揺が走った。
柏 好文は「僕自身は甲府のときから長い間やっているので、寂しい気持ちがある。急に決まったことだったんで、まだ話もしていない。落ち着いたら連絡をしようかなと思います」と、唐突だった別れを惜しみつつ、お互いの新たな出発、そしていつしか再会する日に気持ちを向けていた。
「プロはそういう世界でもあるし、城福さんもそう思っていると思う。クラブはこの決断をして新たにスタートすることを決めたんだし、城福さんもこれでサッカー界から去るわけじゃない。城福さんも新たなスタートを切ったと思うし、サッカーをやっていればまたどこかで会うこともあると思うので、僕はまた会えるのを楽しみにしている」(柏) 青山 敏弘もやるせない思いを口にした。
「残り5試合のタイミングで退任という形になりましたけど、本当はしっかりと目を見てお別れしたかったし、そういう形で送れなかったことに責任を感じます。もちろん、クラブが判断したことには同じ方向を向いてやっていく。それは間違いないけど、こういう別れ方は残念だったというのが正直なところ」 だからといって立ち止まってはいられない。背番号6は新たなスタートも見据え、こう話した。
「謙太郎さんは広島の色を知っているし、それを出していかれるんだろうなっていうことは強く感じる。常にハードワークしていく中で、質にこだわっていく。質を求めながら勝負のところで上回っていく。両方を目指すのがウチらしさだと思うし、謙太郎さんと残り5試合、みんなで同じ方向を向いてやっていきたい。もちろん結果も大事ですけど、広島らしさをピッチで見せていきたいし、それを導いてくれる監督だと思います」 広島がどんな形で新たなスタートを切るのか注目したい。
天皇杯準々決勝で川崎Fに1-3で敗れ、3季連続無冠が決まって1週間。今節は鹿島にとってもリスタートの一戦と言えるのかもしれない。もっとも、鹿島はまだ3位に入って来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得するチャンスが残されている。3位・神戸との勝点差は『5』。4位・名古屋と5位・浦和との勝点差は『2』。簡単な状況ではないが、鹿島に関わる誰一人として不可能な状況だとは思っていないはず。今節もどん欲に勝利を目指していくはずだ。
「鹿島はどこから見ても良い戦力がある。身体能力の高い選手もいるし、アグレッシブだけど、そのアグレッシブさに負けたくない」(沢田監督)。激しい攻防が繰り広げられることは間違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]