互いに下位に低迷する東京Vと横浜FM。直近のリーグ戦での戦いぶりは異なっている。ホームの東京Vは、後半戦の5試合で1勝1分3敗と苦戦し、16位と低迷。守備での懸念点を踏まえて新井 悠太を1トップに据えるなど策を講じるも、なかなか結果には反映されず。
それでも前節の町田戦は、従来の前線からのプレスで相手陣地へ押し込むだけでなく、右サイドを起点にボールを保持して攻撃を展開。得点力不足に苦しんだ前半戦を経て、連動性のあるサイドアタックに着手している。町田戦の翌日に行われたファン感謝イベントの閉会式にて城福 浩監督が「生まれ変わった」と力強く放った言葉は、より色濃くピッチ上で体現されることだろう。
6月の移籍期間で千田 海人が鹿島へ移り、7月下旬から8月上旬にかけては翁長 聖が長崎、木村 勇大が名古屋、さらに綱島 悠斗がロイヤル アントワープFC(ベルギー)へ移籍。これまでチームを支えた主力選手の移籍が相次ぐ中で、水戸から加わった寺沼 星文や秋田から獲得した井上 竜太が生まれ変わった東京Vに新たな色を加える活躍に期待がかかる。
一方、横浜FMは長らく最下位に沈んでいたが、第22節の湘南戦(1△1)で連敗を『3』で止めると、続く横浜FCとの“横浜ダービー”を1-0、前節・名古屋戦を3-0と連勝。残留を争うライバルたちとの直接対決を制して18位まで順位を上げてきた。7月30日に開催されたリヴァプール(イングランド)との明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団でも、1-3と敗れはしたものの、先制ゴールを奪うなど世界有数のビッグクラブを相手にも十分に戦い抜いた。
横浜FMも今夏にディーン デイビッドや角田 涼太朗らが加わり、戦力層はより厚くなった。名古屋戦で早くもJ1初ゴールを奪った谷村 海那ら新戦力が残留に向けた大きなピースとなるに違いない。
東京Vの注目は、長崎へ移籍した翁長 聖が務めていた左ウイングバックでも出場の可能性が高まる福田 湧矢。本職でもあるポジションについては「(自分は)ずっとサイドで生き残ってきた選手なので、ウイングバックでも違和感はないですね」と自信。「ほかのウイングバックの選手とは違うようなタイプだと思います。それはそれでまた(チームの)プラスになるんじゃないかな」と語るなど、穴埋め以上の存在として大きな期待が寄せられる。もちろんこれまでどおりシャドーでピッチに立てば、その豊富な運動量と中央からのドリブル突破でチャンスを作ってくれるはずだ。
横浜FMの注目は、横浜FC戦で戦線に復帰したジャン クルード。強度を高める存在がフルで戦うことができれば、東京V相手にも中盤を制圧できるだろう。
今後のJ1での立ち位置を明確にするためにも、両者にとって負けられない一戦が幕を開ける。
[ 文:藤井 圭 ]
