ホームの清水は、前節終了時点で8勝7分10敗を記録。2週間以上にも及ぶ中断期間明けには、広島との公式戦2連戦に臨んだ。6日開催の天皇杯ラウンド16では0-3と完敗を喫したが、続く10日に行われた前節では、主導権を握りながらのスコアレスドロー。秋葉 忠宏監督は「たった3日で、ほぼトレーニングができない中で試合をやるのがどれだけ大変なことか。僕自身も選手だったので分かっています」と、チームが見せたリバウンドメンタリティーを称えた。
次は、秋葉 忠宏監督が「無類の強さを誇る」と胸を張るホームゲーム。今季、アイスタ開催のリーグ戦では5勝4分2敗と悪くない成績を残せているだけに、トップハーフ浮上の前兆を示す一戦としたい。
そんな清水で、現在まばゆいばかりの輝きを放っているのが嶋本 悠大だ。大津高から加入した高卒ルーキーは前節・広島戦で、リーグ戦では初のフル出場を果たした。「天皇杯(3回戦・湘南戦)で120分間やって、本人もきっかけをつかんだ。明らかに顔つきも変わりましたし、体つきも含めてプロの水に慣れてきた」とは秋葉 忠宏監督の弁。7月に入ってから出場機会を増やしており、本人も「自分の良さが出せている試合が多い」と徐々に自信を手にしてきている。だが、「もっともっと、自分の色を見せたい」と向上心を露わにしており、横浜FM戦では守備だけでなく攻撃面でも武器を示す覚悟だ。
一方の横浜FMは、過去五度のJ1制覇を誇る名門として知られるが、今季は開幕直後から苦戦を強いられている。現在の成績は5勝6分14敗で、順位は降格圏内の18位。現在チームを率いている大島 秀夫監督は、今季3人目の指揮官だ。前々節・名古屋戦で3-0と完勝したことで、今季二度目の連勝を飾って中断期間に突入したものの、前節は東京Vに主導権を握られて0-1と敗北。今季初の3連勝を逃した。
そんな横浜FMは、今夏に谷村 海那、ディーン デイビッド、ユーリ アラウージョと3名の新戦力を迎え入れたほか、2023シーズン以来となる角田 涼太朗の復帰も決まった。谷村 海那については前々節でゴールを決めるなど、既に公式戦のピッチに立っているが、残る3選手については、清水との試合が加入後初の公式戦となる可能性がある。
新加入選手にも期待が集まるが、攻撃の“核”という意味で、注目選手には既存戦力のヤン マテウスの名前を挙げたい。
近年の横浜FMは前線に“ブラジルトリオ”をそろえてJ1屈指の破壊力を誇っていた。しかしながら、今夏にアンデルソン ロペスはライオン・シティ・セーラーズFC(シンガポール)へ、エウベルは鹿島へ移籍し、気がつけばかつての“ブラジルトリオ”はヤン マテウスのみとなってしまった。清水の秋葉 忠宏監督は「ヤン マテウスの個の力は非常に警戒している」と語ったが、「こちらの攻撃をやり切ることができれば、彼のような選手も守備をせざるを得なくなる」と、チームの戦い方をもって横浜FMの背番号11を封じる狙いだ。彼が自由に左足を振ることができれば、横浜FMに勝利を呼び寄せる得点が生まれる確率は高まるはず。清水としては、彼に高い位置で仕事をさせないことが勝利を手にする上で1つ重要なポイントとなりそうだ。
横浜FMはこの試合に勝利すれば、17位・湘南の結果次第で降格圏を脱することが可能だ。勝利がマストな理由は、それだけで十分だろう。対する清水は、敗れると横浜FMとの勝点差が『7』に縮まり、他会場の結果次第では残留を意識するような立ち位置に引きずり込まれてしまう。得意なホームゲームで白星をつかみ、降格圏との差を引き離していきたい。
[ 文:榊原 拓海 ]

