破竹の7連勝で上位陣を猛追している町田に対して、G大阪は現在2連敗中。またJ1での対戦成績に限れば、町田の2勝1分とホームチームのほうが分は良い。G大阪が唯一町田から勝点を獲得した試合は、町田の歴史的なJ1デビュー戦となった昨季の開幕戦だ。Jリーグ創設期から名を連ねる“オリジナル10”のクラブとして、これ以上、新興クラブの後塵を拝することはプライドが許さないだろう。
ただ、現状の町田の牙城を崩すことは困難を極める。町田は現在5試合連続クリーンシートを記録中。鉄壁の守備陣を構成するメンバーの中には、守護神の谷 晃生やキャプテンを務める昌子 源ら、元G大阪の選手がいる。2人はきっと、古巣相手に得点はさせまいと、普段以上に気持ちを入れて守るはずだ。
特に最近の谷 晃生は枠内シュートに対するセービングの感覚が研ぎ澄まされており、これまでの対戦相手も彼の牙城を崩せなかった。「ディフェンスの選手が最後まで体を張って寄せてくれているぶん、自分は助かっている」と谷 晃生。日本代表GKとしての実力を発揮している町田の守護神は、謙虚に仲間の奮闘を称えながらゴールマウスを死守してきた。その姿勢は、特別な古巣戦でも変わらない。
また8月12日には、G大阪に所属していたネタ ラヴィが町田に電撃移籍。新天地に移ってから10日も経たないうちに古巣戦を迎えることは、今回の対戦カードの注目度アップにつながった。早速選手登録が済んだネタ ラヴィは、直近の第26節・C大阪戦の終盤から途中出場。「何分でも使いたかった」という黒田 剛監督の意向の下、すでに試運転を済ませている。
G大阪にとってこの移籍は、町田に勝ちたいモチベーションが高まる要素となるはずだ。なお古巣戦に向けて、ネタ ラヴィはこう口にしている。
「ガンバのことはリスペクトしていますが、われわれも勝たなければならないため、全力を尽くします。2年半ガンバに在籍していたので、たくさんの友人がいますが、対戦は“バトル”ですから」 勝てば首位浮上の可能性がある町田に対して、G大阪が一泡吹かせるためには、先制点奪取が最重要ポイントになりそうだ。町田は7連勝を果たした期間、すべての試合で先制点を奪ってきた。G大阪はファーストチャンスを確実に仕留める展開に持ち込めれば、勝機は広がるだろう。
一方で町田の懸念材料は「攻撃の核」と自負する相馬 勇紀が累積警告による出場停止を余儀なくされること。エース不在による攻撃のパワーダウンは当然否めない。それでも好循環の中にあるチームは、得てしてラッキーボーイ的存在が出現しやすい。エースに替わって大仕事を果たす選手の存在が、8連勝達成のカギを握っている。
[ 文:郡司 聡 ]
