名古屋は現在3連敗中。5月、6月と好調だったものの、中断期間直前の第24節・横浜FM戦で0-3と久しぶりの大敗を喫すると、中断明けの前々節・京都戦も、前節・浦和戦も初夏の勢いがまったく感じられない結果になった。
特に前節は、開始早々に自陣左サイドから持ち込まれて失点。ゴール前に人数は足りていたにもかかわらず、シュートをブロックすることができなかった。さらに前半のうちに同じようなパターンでもう1点を失ってしまい、主導権を完全に相手へ渡す形に。後半、原 輝綺のスーパーミドルシュートで1点は返したものの、あと1点が遠かった。降格圏の18位とは勝点4差と、残留争いに“おかえりなさい”状態である。
尻に火がついた形の今節は、クラブ最大のイベント『鯱の大祭典』の今季二度目の開催であり、再び満員に近いサポーターが来場する予定だ。その意味でも絶対に負けられない戦いと言えるだろう。
そして、サポーターが期待を寄せるのは、約1年半ぶりに名古屋に帰還した藤井 陽也だ。2024年1月にベルギーのKVコルトレイクに期限付き移籍し、同年6月には完全移籍に移行した。ただ、チームが2部降格になったことや、「ヨーロッパでやりたいと思っていたが、良いオファーがなかった」と、Jリーグ復帰を決意。数ある選択肢の中から守備の改善が必須の古巣・名古屋の熱いオファーを受諾した。
「グランパスでのプレー、パフォーマンスが日本代表につながると思う。ここで攻守にわたってチームを引っ張る存在じゃないと代表には入れない」と藤井 陽也。まだ24歳だが、同世代はもとより年下の選手も日本代表で活躍し始めている。守備を立て直して、アカデミーから育ててもらったクラブの降格ピンチをその脚で助け、未来につなげたい。
対する川崎Fもここ3戦未勝利と苦しんでいる。その間に首位との勝点差は『10』に開いたため(首位の町田と、首位と同勝点の2位・神戸は消化試合が1試合多い)、これ以上離されたくないところ。下位との対戦では特に勝点3が欲しい。
前々節・福岡戦の敗戦は、前半だけで2人の退場者を出し、長い時間を9人で戦うことを強いられてのものだった。前節・新潟戦もその影響で出場停止の選手が複数人おり、最下位と苦しむ新潟と勝点を分け合う結果に。態勢をしっかりと立て直して、秋に向けてロングスパートをかけたいところだ。
両者は前回、開幕戦で相対し、ホームの川崎Fが爆発的な攻撃力を見せつけて4-0で大勝した。出はなをくじかれた名古屋はこれで意気消沈し、開幕から6試合勝利を挙げられず。名古屋としてはそのときのリベンジといきたいところだが、大量得点よりもまずは多くのファン・サポーターに勝利を届けられるように、90分間の集中した守備と乾坤一擲の攻撃を見せたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
