最近の名古屋は、サポーターにとって感情の起伏が激しくなるような試合を繰り返している。8日にはJリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準々決勝第2戦で広島と120分の死闘を繰り広げ、守護神・ランゲラックのPK戦での素晴らしい活躍もあって勝ち上がり。アウェイに駆けつけたサポーターを歓喜させた。
しかし、その翌週の明治安田J1第30節・FC東京戦では、ルヴァンカップでの激闘からコンディションが戻らずに1-4の大敗。内容的にもほとんど攻め込むことができず、国立競技場のアウェイ席は悲嘆に暮れる状態に。
台風10号の影響で18日に延期された第29節・新潟戦は、FC東京戦から中3日とコンディション面に不安があり、なおかつ相手はここ6戦無敗と好調をキープしていたことで苦戦が予想されていたものの、すさまじいリバウンドメンタリティーを発揮。完勝とも言える内容を見せ、3-0で勝点3を積み上げた。
つまりいまの名古屋は、安定した戦いができないとも言えるが、メンタル面の充実に加えて戦術がハマれば、勝ち切る力を持っているということ。今節もメンタル面と戦術面をしっかりと整えて臨みたい。
選手で注目したいのは、3CBの右で出場すると予想される内田 宅哉だ。もともとは中盤の選手ながら、今季はチーム事情でCBもこなしている。ビルドアップや持ち上がりが得意で、攻撃にアクセントを加える存在。新潟戦では相手のペナルティーエリア内まで入り込む場面もあった。
ただ、CBとしての経験不足もあって主に守備面でムラがあり、それがチームの結果にも影響している。本人もその守備面は課題として捉えているが、「自分が3バックで出ている意味は積極的な攻撃参加」だと、チャンスを見て攻撃する姿勢を変えるつもりはない。内田がうまく攻め上がることができていれば、チームはリズムが良いと判断できる。
対する川崎Fも名古屋と同様に中3日で迎える厳しい連戦となる。18日には蔚山(韓国)とAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の開幕戦で対戦。54分にカットインからマルシーニョが挙げた虎の子の1点をタイトな守備で守り切って、アウェイで勝利を収めた。
川崎Fも厳しい戦いを繰り広げた中でコンディションがどのくらい戻っているのか。またどんなメンバーでこの名古屋戦に臨むのかも興味深い。今後もACLEを含めた厳しい日程が予定されており、その意味でも残留争いに巻き込まれたくないという思いがある。
また、両者はルヴァンカップの決勝で対戦する可能性があり、今節はその前哨戦的な意味合いもある。川崎Fが2-1で勝利を収めた6月2日の前回対戦からメンバー面、戦術面で多少の変化があったはず。現状のすべてを出し切らないと勝てない相手なのは承知しているが、今後を見据えてできればいくつかの武器は隠しつつ、勝点3を上積みできたら最高である。
[ 文:斎藤 孝一 ]
