名古屋は直近の第29節・神戸戦から中3日での連戦。このあとも中2日で第30節・広島戦が控えており、川崎F戦は今季最後となる連戦の2試合目になっている。今季は2010年以来のリーグ制覇を目標にスタートしたが、長谷川 健太新監督の戦術の浸透に手間取り、早々に優勝争いから脱落。上位と順位が離されていて、下位ともある程度離れている現状を考えると、この川崎F戦は選手のコンディションや回復具合を勘案しながら臨めそうだ。
また、この試合はこれまで起用の少なかった若手など新戦力を発掘できるチャンスでもあるが、当然、逆も考えられる。自分たちの現在地を知るために、王者・川崎Fに対してこれまでのサッカーがどこまで通用し、何が足りないのか、気づきを得ることも意味のあることだ。長谷川監督がこの試合の位置づけをどう捉えるのか、スタメン発表から楽しみである。
週末の試合もタイトル争いの輪の中にいる広島が相手であり、10月には現在首位を走る横浜FMとの対戦も残っている。ターンオーバーするにせよ、主力組で挑むにせよ、上位を相手に真価を示し、良いイメージを持ったまま来季に臨めるようなゲームにしたい。
その起用法で注目の選手も変わってくるが、ターンオーバーなら甲田 英將を最初に挙げたい。シーズン序盤に実力の片りんを見せたが、ケガにより離脱。その間にハードなトレーニングを積み、体がひと回り大きくなって帰ってきた。いまチームは交代出場選手が得点に絡めていないことが大きな課題であり、甲田のキレのあるドリブルでその問題解消につなげたい。
主力組で注目は、名古屋加入後100試合連続出場中の稲垣 祥。リーグ随一の運動量を誇り、またハードにボールを刈り取るボランチというポジションで、累積警告もなく100試合出場を続けるというのは驚異的な記録だ。ぜひ子どもたちにはそれができた理由をプレーの中から感じてほしい。
一方で川崎Fにとっては日々の試合が大きな一番になっている。現在、首位・横浜FMを勝点差3で追いかけている状況だ。過去に3連覇を達成しているのは鹿島だけ。その偉業に並ぶためには、できる限り”取りこぼし”は避けたいところ。直近の第29節では広島との上位直接対決を4-0と圧勝し、第28節・湘南戦での痛い敗戦を払しょくした。名古屋には4連勝中と相性も良く、相手と同じく中3日の連戦だが、選手層も厚みがあり問題はないだろう。
川崎Fのポイントは先制点。そしてその後も攻撃的に畳みかけ、追加点を奪えたら昨季の豊田スタジアムでの試合(J1第22節/4○0)のような一方的な展開もあり得る。名古屋としては殴り合いではかないそうにないため、まずはしっかりとした守備で抑え込み、接戦に持ち込むことが勝利への道筋。首位戦線をかき回すことでリーグの中での存在感を示したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
