ホームの町田は前節・京都戦を1-1で引き分け、積み上げた勝点は『1』にとどまった。優勝争いのライバルチームである京都に勝点3を与えなかったことに一定の価値はあったが、トップ集団とは少々勝点差があるだけに、ポジティブな結果とは言い切れない。「受け難い結果」とは谷 晃生の言葉。京都戦の後半にラファエル エリアスのPKを止めた守護神としては、自身のビッグセーブを勝利につなげたい気持ちが強く、そう思うのも無理はなかった。
また京都戦は1点をリードする中、結果的に同点ゴールを決められてしまった時間帯が後半のアディショナルタイムだったため、1-0で勝ち切る強さが本来のストロングポイントである以上、余計にその展開には悔しさが募った。それでも、2023年から続く黒田 剛監督体制の町田は幾多の修羅場を乗り越え、“転んでもタダでは起きない”チームとしての地力を発揮してきた。今節の岡山戦も、アディショナルタイムに追いつかれた教訓を生かす形で力強く前進するに違いない。「京都戦の結果を無駄にすることなく、今後の試合に生かしていきたい」とは黒田 剛監督の言葉だ。
一方の岡山は町田と4戦未勝利の過程が少々異なり、前節・横浜FC戦を0-0で引き分けたことによって、連敗を『3』で止めた。最近は対戦相手の研究が進み、トップカテゴリーでも通用してきた堅牢な守備にほころびが生じている。3連敗中の総失点数は『10』。2巡目の対戦にあたる後半戦は、J1勢の意地を前に、昇格組も悪戦苦闘しているように映る。
お互いの総失点数は、くしくも同じ『33』。1試合平均1失点をわずかに上回る数値は、堅守自慢のチームにとって、決して許容できないものだろう。また、堅守をベースとしたチーム同士の対戦は1点勝負の様相を呈するかもしれないが、前回対戦(第18節)は意外にも合計4ゴールが決まる2-2のスコアだった。中でも前回対戦で特筆すべき活躍をした選手は、町田の相馬 勇紀。後半の途中出場から1ゴール1アシストをマークして岡山を追い詰め、町田を救った存在だ。自身の活躍次第でチームの結果が変わることを自覚している町田のエースが再び岡山に襲いかかるか。GKスベンド ブローダーセンを中心とした岡山の守備陣と、町田のエースによる対決は見ものだろう。
J1初昇格から2年目のシーズンを迎えている町田と、クラブ史上初めてのJ1に挑戦中の岡山は、ともにトップカテゴリーの“新興勢力”。中3日の連戦下で迎える両者の対戦は、優勝戦線に生き残るためにも勝点3獲得が望ましい町田が制するか。あるいはJ1初年度での残留に向けた足場を固めたい岡山が意地でアウェイでの勝利をつかみ取るか。熱いバトルの連続は、見る者の心を虜にするに違いない。
[ 文:郡司 聡 ]
