名古屋はここ2試合で降格圏に沈む相手との2連戦に臨んだ。結果は1勝1分とまずまずだったが、18位との差を大きく広げることはできなかった。残留争いの行方はまだまだ分からず、今後は上位との対戦も残している。その中でどう勝点を拾っていくのかが残留へのカギになりそうだ。
最下位の新潟と対戦した前節は、中2日という厳しい日程と遠距離の移動を鑑み、絶対に勝点を持ち帰りたいという超守備的なスタンスを取った。攻撃面ではチャンスらしいチャンスさえ作れず、というよりも作らずに、試合を通じてシュートは3本、枠内シュートは0本だった。ただ、そのぶんゴール前をしっかりと固め、前線も含めたハードワークで相手の猛攻を耐えて0-0の引き分け。割り切って勝点1を積み重ねた。
選手たちにとって前節は、ゴール前の守備だけではなく、自分たちのやりたいサッカーという面でも耐えた格好である。コメントの端々にも悔しさがにじみ出ていたが、今節はその憂さを晴らすことができるのかが最大の焦点。もちろんこの試合でも勝点1でも積み上げたいところだが、2試合連続で失点を恐れて腰の引けた戦いをしていたら、サポーターとしても残念な気持ちになるだろう。それはクラブのスタイルとして目指している“アグレッシブで攻撃的なフットボール”にもそぐわず、例え結果が引き分けで終わっても、あくまで勝点3を積極的に狙いにいった上での勝点1だったという形にしたい。
ちなみに2021年に行われた明治安田J1第21節のホーム・鹿島戦で、名古屋はJ1で2例目のシュート0本という珍記録を作っている。もし前節同様の試合をしたら再び“完全試合”を達成されかねない。さらに今季の序盤戦でも、守備に意識を強めた試合ではうまくいかずに悔しい思いばかりが残った。ましてや首位の鹿島を相手に引いてばかりいたら、どこかで必ず破られるだろう。強気に戦うこと。ホームではグランパスらしい勇敢さを見せないといけない。
対する鹿島は現在3連勝中。2位との勝点差を『4』に広げ、激戦の首位争いから一歩抜け出した。前節はC大阪に先制を許したものの、すぐに知念 慶のゴールでビハインドを打ち消すと、流れをつかんだ後半は一気に2得点を挙げて勝ち切った。
前節は鹿島も中2日で、先発メンバーを4人入れ替えて臨んだ。多少リズムがズレる場面もあったが、きっちりと修正できたのは、しっかりと全員に戦術が浸透しているという面があるのだろう。今節はキム テヒョンと知念 慶が出場停止だが、長谷川 健太監督就任後の名古屋に対してはリーグ戦過去7試合で1敗と相性は悪くない。きっちりと勝点3を挙げてシーズンの最後まで止まらずに走り切りたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
