大きな変化が起きるシーズンとなりそうだ。今季の名古屋は、藤井 陽也(KVコルトレイク)と森下 龍矢(レギア・ワルシャワ)が海外挑戦を決め、守備の要だった丸山 祐市(川崎F)と中谷 進之介(G大阪)が移籍するなど、堅守を支えた主要メンバーたちが一気にチームを去った。一方で、京都からパトリック、福岡から山岸 祐也と昨季2ケタ得点を挙げたストライカーを獲得。期限付き移籍から完全移籍に移行したキャスパー ユンカーを含めると、1チームに3人の2ケタ得点者がいるという豪華な布陣となった。
CB陣は、福岡から三國 ケネディエブス、甲府から井上 詩音、韓国の浦項からハ チャンレを獲得。アタッカー陣の補強とは異なり、これまでの実績よりも、実戦を重ねながら成長を期待する陣容となり、未知数な部分も多い。その中で注目したいのは井上だ。加入初年度にもかかわらず、すぐに副キャプテンを任された背番号4は名古屋U-18出身。トップ昇格とはならなかったものの、大学を経由して昨季加入した甲府でのプレーが評価され、今回の移籍につながった。
「いまはすごくワクワクしています。6年前は観る側だったので、豊田スタジアムでプレーする側になるというのは、まだ実感は湧かないですけど、ピッチに立てるのであれば、この5年間でやってきたことをすべて表現したいと思います」(井上) 名古屋U-18での同期は、日本代表で活躍する菅原 由勢(AZ)や上述の藤井。ようやくつかんだ“夢舞台”で、彼らに続く輝きを見せたい。
もう1つの注目ポイントは両サイド。昨季は森下や和泉 竜司らがウイングバックを務め、その2人が左右のどちらに入っても戦える布陣だったが、今季は左のスペシャリスト・山中 亮輔と、右からの突破が得意な中山 克広がウイングバックに入る。岐阜とのプレシーズンマッチで、山中は全2得点に絡み、中山は同点ゴールを決めるなど、早々にコンディションを上げている。長谷川 健太監督が目標に据える『1試合平均2得点以上』というミッションを達成するためには、両サイドの活躍が不可欠だ。
昨季、名古屋と同じ勝点で5位だった鹿島は、FC東京などで指揮を執った経験のあるランコ ポポヴィッチ監督を招聘。FWには、元U-21セルビア代表でテクニックとスピードを兼ね備えるチャヴリッチを獲得した。新加入選手は多くないが、逆に考えれば選手のベースはできているということだろう。
プレシーズン恒例の『いばらきサッカーフェスティバル』では、縦に速いアグレッシブなサッカーを展開し、水戸にほとんどシュートを打たせない完璧な内容で1-0の勝利を収めた。質の高い選手たちによるハイレベルの競争で2016年以来の優勝を狙う。
昨季の両者によるリーグ戦対戦成績は、ともにホームチームが勝利を収め、1勝1敗と互角。メンバーが大きく替わったチームと、新監督のチームの対戦で展開の予想は難しいが、両チームともに強度が高く、熱い戦いが繰り広げられるのは間違いないだろう。
[ 文:斎藤 孝一 ]
