両者の状況は対照的だ。優勝を争う柏は9月の戦いで4試合連続ドローと足踏み。残り6試合で首位の鹿島との勝点差は『7』に開いてしまったが、上位陣同士での対決もあるため、逆転の可能性はゼロではない。とにかく目の前の試合に勝ち続けることで、頂点への光が差してくるかもしれない。
対する横浜FMは残留に向けて過酷なサバイバルを戦っている。現在は残留圏の17位に位置しているものの、降格圏の18位・横浜FCとは同勝点で、得失点差でこの位置を保っている。残留への明確なライバルである横浜FCはここ5戦無敗と着実に勝点を積み重ねているだけに、上位が相手でもポイントを得ることが必要だ。
柏の注目は、前節・川崎F戦に右ウイングバックで起用されたジエゴだ。左ウイングバックを主戦場とするブラジリアンは“左利き右サイド”の特徴を生かし、「狙いどおりのシュートを打つことができた。スピードも速く、コースもポストギリギリのところに入ったので、難易度の高いゴールを取れた」と、内側へのポジション取りから決めた圧巻のゴラッソを振り返る。そして「また同じようなゴールが取れるか分からないが、そのために練習でシュートもレベルアップして、またあそこを狙ってみたい」と口にしている。
ジエゴの活躍はそれだけにとどまらず、チーム3点目のシーンにおいては、縦への仕掛けからチャンスを広げ、自身のクロスから小屋松 知哉を経由して中川 敦瑛がネットを揺らしている。中を見せることで縦を有効にする。これは離脱中の久保 藤次郎を含むほかの右ウイングバックにはない武器だ。トレーニングでのパフォーマンスを見ながらジエゴの起用を準備していたというリカルド ロドリゲス監督のアイディアの豊富さも、この終盤戦でチームの力になっている。
横浜FMとしては残留争いももちろん意識するが、今季は第14節での0-2に始まり、JリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準々決勝第1戦で1-4、第2戦で0-1と、柏に敗れ続けている(昨季のJ1第33節でも敗れており、公式戦4連敗中)。同じ相手にこれ以上負けることはプライドが許さない。3-2と勝利した前節・FC東京戦で2得点を奪った谷村 海那や、ルヴァンカップで柏から唯一ゴールを奪っている植中 朝日といったストライカーたちが柏のディフェンスラインを破り、勝利をもたらすことができるか。
冒頭で両者の状況は対照的と述べたが、どちらも勝たなければいけないことに変わりはない。勝たなければいまの争いには生き残れない。優勝と残留、どちらがより強い思いを持ってこの戦いを制するか。舞台は三協フロンテア柏スタジアム。キックオフは17時30分だ。
[ 文:藤井 圭 ]
