川辺 駿が「自分たちが上位に行くためにはこの直接対決をしっかり勝たなきゃいけない。自分たちも町田もACLEの試合をしていて、特に町田はジョホール(マレーシア)に行ってからの試合なので、お互いに総力戦になる。いろんな選手の力が必要だと思います」と見据えたとおり、必勝の試合が総力戦になることは両チーム同じ。特に町田はマレーシアから帰国したあとに広島へ移動して今節に臨むため、条件はより厳しいものになる。正念場と言ってもいい一戦になるだろう。
広島は前節・福岡戦を2-1で勝ってリーグ戦4試合ぶりの勝利をつかんだ。その後臨んだACLE第2節・上海海港(中国)戦は追いつかれて1-1の引き分け。上海海港戦後にミヒャエル スキッベ監督は「今季を象徴するような試合。点を取らなければいけないという部分で非常に足りない部分があった」と振り返ったように、得点力が不足して勝利を逃すという、今季何度も見られた内容となった。
得点を重ねていく力を発揮できるかどうかが、広島の今季の命運を握っていると言っていいだろう。上海海港戦で先発したマルコス ジュニオールが負傷交代となったことは心配だが、負傷離脱から実戦復帰して間もないトルガイ アルスランが途中出場からゴールに迫るプレーを見せていたことは明るい材料だ。背番号30は今節のキープレーヤーの1人になるだろう。
一方の町田は前節・岡山戦を1-0で勝って5試合ぶりの勝利を収めた。終了間際にセットプレーに流れから昌子 源がゴールネットを揺さぶって勝ち切り、黒田 剛監督は「最後の最後に1点を取り切るのが町田のサッカーですし、無失点で試合を進められたからこそ、最後のゴールがありました」とコメントしているように、町田らしい1-0だった。
ジョホール戦は相馬 勇紀がPKを決められなかったことも響いて0-0のドローに終わった。ACLE初勝利とはならなかったが、相手に圧力を掛けてゴールに迫っていくサッカーは展開できていた。そのパワーを今節も継続して出していけるか。先発出場する選手と途中出場する選手がともにエネルギーを出し尽くし、チームとして大きな力にしていきたいところだ。
広島も町田も日本を代表するGKを擁し、守備陣もリーグ屈指のプレーヤーが並ぶ。多くの得点が生まれる試合にはならないだろうが、常に緊張感が張り詰められ、各局面で激しいバトルが繰り広げられる試合になるはず。最後の最後まで目の離せない試合になることは間違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]
