前節、広島を相手に逆転負けを喫した町田に対して、福岡は横浜FCから8試合ぶりとなる勝利を飾った。直近の試合結果で明暗が分かれた両チームの対戦は、きっと熱戦となるに違いない。
ホームの町田は首位を走る鹿島の背中が遠のいたが、「まだ優勝をあきらめたくない」(前 寛之)とチームは結束。残り5試合を5連勝で終えるためにも、黒田 剛監督は「日常の甘さを排除し、日常を変えるしかない」と選手たちに発破をかけてきた。ショッキングな敗戦から立ち直るためにも、古巣戦を控える前 寛之は「アグレッシブに行く」ことを強調していた。
また、両チームの闘志をかき立てる要素が福岡の金 明輝監督の存在。町田にとって“今日の敵将”である金 明輝監督は、昨季までの2シーズンにわたってヘッドコーチの立場で黒田 剛監督を支え、近年の町田の躍進に貢献してきた。金 明輝監督の“Gスタ凱旋”はかつて指導を受けた選手たちにとっても発奮材料となっている。例えば藤尾 翔太は「明輝さんが率いるチームには絶対に負けたくないと思っている。その気持ちをパワーに変えたい」と言葉に力を込めた。また下田 北斗はアウェイでの前回対戦(第7節/2△2)を体調不良で欠場したため、恩師との“ファーストマッチ”が実現しなかったことを残念がった1人だ。そのぶんも、ホームで対戦できる今節を心待ちにしている。下田 北斗は言う。
「明輝さんもモチベーションが高く、町田のホームで絶対に勝ちたい気持ちは強いでしょう。相手は可変する形を採用していますが、ボールを奪いにいく自分たちのサッカーで圧倒して勝ちたいです」 さらに今節は日本代表がブラジル代表から歴史的初勝利を成し遂げた直後のJ1開催日。そのため、日本代表のJリーガーに対しては、いつも以上の注目度が集まることだろう。ちなみにサッカー王国からの初勝利という歴史的瞬間のピッチには町田の望月 ヘンリー海輝と相馬 勇紀が立っており、福岡の安藤 智哉はベンチから見守った。相馬 勇紀はシュートチャンスを仕留められず、試合後に「次にどこかで決めたい」とコメントしており、今節の福岡戦に向けて、チームを勝利に導くゴールへの意欲は強い。
パラグアイ代表、ブラジル代表と対戦した南米勢2連戦で、残念ながら出場機会がなかった安藤 智哉。この“10月シリーズ”の日本代表に招集された際、「チームのことはわれわれに任せて、思い切ってやってきなさい」と金 明輝監督に背中を押されたというDFは、今回の代表活動を通して得たものについて、こう話している。
「とても強度が高いトレーニングの中で、トップレベルのスピードを感じましたし、オン・ザ・ピッチでも、オフ・ザ・ピッチでも、とても充実した代表活動でした。残念ながら出場機会はなかったですが、またチームに帰って、もう1段、2段とレベルを上げられるように頑張ります」 相馬 勇紀、望月 ヘンリー海輝、安藤 智哉――。歴史的勝利をつかみ取った代表メンバーの1人として、彼らには日本代表選手にふさわしいパフォーマンスを発揮する責任が伴う。
[ 文:郡司 聡 ]
