「10節に広島さんのホームに行ったとき、岡山の人がこんなに広島に対抗心があると初めて感じました。そこで1つ勝てたので、今日(第23節)は大変な試合になると思って臨みました。やっぱり大変な試合でしたし、勝てませんでしたけど、やっている充実感とか選手たちの負けたあとの非常に悔しい感じはダービーだなと思いました。こういう雰囲気の中で試合を重ねることがわれわれにとって大事なことだと思うし、選手にとっても幸せなことなんじゃないかなとすごく深く感じました」 明治安田J1百年構想リーグは、降格がないことやJ1の試合としてカウントされないことも含めてレギュレーションは違うが、このカードにおいてはそんなことは関係なく、両チームが意地と意地をぶつけ合って勝利を目指すガチンコ勝負が繰り広げられるはずだ。
ホームで戦う広島は、バルトシュ ガウル監督を迎えて2026年をスタートしている中、上々のスタートを切っている。アウェイで戦ったJ1百年構想WESTグループ地域リーグラウンド第1節・長崎戦を3-1で勝利して初陣を飾ると、AFCチャンピオンズリーグエリートリーグステージ第7節でジョホール(マレーシア)を破り、ホームでファン・サポーターと勝利の喜びを分かち合った。
中でも2試合で3得点を挙げている新10番の鈴木 章斗には注目だ。早くもチームにフィットして得点を量産している22歳のFWは、ダービーマッチでもゴールを挙げるのか。鈴木 章斗は変に気負う様子もなく、「いつも目の前の試合にすべてを懸けているので、次も準備をしっかりして、いつもどおり自分のプレーが100%できればなと思います」と意気込みを語っている。
アウェイの岡山は、木山 隆之監督が5年目の指揮を執る。開幕戦の福岡戦はアウェイで先制するも同点に追いつかれ、最後はPK戦負けの結果に終わった。ただ、2028年1月からの加入内定が発表された小倉 幸成がJFA・Jリーグ特別指定選手として先発出場し、さっそくCKでアシストをマークする活躍を見せている。
岡山は今年、若くて伸びシロのある選手を多く獲得して「選手の成長力をチームの成長力に変えていく。そういうことができれば、われわれはまた1つ上のステージに行けるんじゃないか」(木山 隆之監督)という意図を持って臨んでいる。だからこそ小倉 幸成の存在はとても大きなもので、さらに続く選手の台頭にもこれから期待していきたい。
昨季の“中国ダービー”は、エディオンピースウイング広島では岡山の佐藤 龍之介(現・FC東京)が得点を決めて勝利をもたらし、JFE晴れの国スタジアムでは広島の中村 草太が終了間際に決勝点を決めて勝利をもたらした。互いに将来を嘱望されるアタッカーがダービー史に名を刻んだ昨季。今季は彼らのあとに誰が続いていくのか、興味は尽きない。
[ 文:寺田 弘幸 ]
