名古屋は前節、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)で8強入りを果たした神戸に0-3で敗戦。明治安田J1百年構想リーグのメインテーマはチーム力の強化にあるが、そこに勝ち負けがある以上、勝つことはやはり重要である。相手が強豪であってもホーム連戦で2連敗は避けたい。
近年、突出した成績を残している神戸との差は多くの点で見られた。週明けの練習では長いミーティングを行い、その中で指揮官が選手に求めたのは個人の質をもっと高めることだったようだ。それはすぐに向上させられるわけではないが、走力やフィジカルといったアスリートとしての能力や判断力の部分ももっと高めていきたい。
スコアは0-3だったとはいえ、すべてが悪かったわけではない。得点機は十分に作ることができていた上、相手のプレスを突破すればゴール前まで攻め込むことはできた。守備面の課題は確かにあったが、超攻撃的サッカーを謳っている以上、守備を修正するよりも先に攻撃の質を高めることにトライしていきたいところ。いかに得点を奪うかにフォーカスし、ベクトルをさらにゴールへ向けていきたい。
もう一点、神戸戦でポジティブだったことは、負傷で戦列を離れていた森島 司、和泉 竜司、菊地 泰智が復帰したこと。開幕前、チームが始動してすぐに右ハムストリングの肉離れでチームを離れていた森島 司は、先発で45分間をプレー。決定機にも絡むなど一定の存在感を見せ、試運転としては上々の動きだった。「前に入るボールをうまく引き出せなかったけど、そこも含めてまだまだやれると思う」と本人は振り返り、新指揮官のサッカーの理解が進んでいけば、より決定機を演出できるはず。また、今節は古巣戦であり、気持ちはいつも以上に入るだろう。14番からのスルーパスやチャンスメークに注目をしたい。
後半から途中出場となった和泉 竜司と菊地 泰智も存在感を示していた。マルチプレーヤーの代表格として知られる和泉 竜司は、途中でシャドーからボランチに回ってボールをうまく引き出す役目を担い、その1列前に入った菊地 泰智はリズミカルなパスと戦術眼でチャンスを創出していた。追いかける展開だったことを割り引く必要はあるかもしれないが、2人が好パフォーマンスを披露したことはポジティブな要素。今節、どのタイミングでピッチに入り、チームにどんな変化をもたらすのかを見ていきたい。
対する広島は前節、G大阪に2-0で勝利。ともにアジアの舞台での戦いから中2日同士の対戦だったが、広島が相手を上回る熱量で勝ち切ることに成功した。残念なことにACLEでは8強に残ることはできなかったものの、そのぶん今後はこのJ1百年構想リーグにベクトルを向けることができる。連戦かつアウェイゲームということで先発の変更が予想されるが、出場機会が多くなかった選手たちにとっては大きなチャンス。勝利を収めることと同時に、チームをさらに前へ進める新戦力の発見があるかもしれない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
