だが、そこで水戸はJ1の厳しさを突きつけられた。東京Vが随所で見せる強度の高いプレーに圧倒され、開幕に向けて準備してきたことをまったく出すことができずに防戦一方の展開に。8分に先制を許すと、21分と49分にもゴールを割られ、3点差をつけられてしまう。59分に加藤 千尋が一矢報いるゴールを決めたものの、完敗と認めざるを得ない試合内容だった。「東京Vには開幕戦で現実を突きつけられました。そこで自分たちはすべてが足りないことを自覚させられた。そのチームに自分たちの力をぶつけることによって、開幕戦からいかに変われたかが見えると思う。何かを変えるというより、東京Vに正面からぶつかっていきたい」と大崎 航詩はリベンジを誓う。
ただ、チーム状態は苦しいと言わざるを得ない。前々節・鹿島戦、前節・浦和戦と2試合連続で退場者を出して大敗を喫してしまった。「ここで今季ラストに向けてはずみをつけていこうという中、不本意なゲームが2試合続いた」と大崎 航詩が唇をかむように、積み上げてきた自信が失われそうな状況にある。だからこそ、「このままズルズルいくわけにはいかない」と力を込めるのは樹森 大介監督。「浦和戦では残念な試合をしてしまいましたが、それですべてが0になったわけではない。ここからどれだけはい上がっていけるか」と大崎 航詩も闘志を燃やす。目指すのは、この悪い流れを断ち切る勝利を挙げ、今大会を良い形で終えること。そして、8月に開幕する2026/27シーズンに向けてはずみをつけたい。そのためにはまず東京Vへの“リベンジ”が求められる。
東京Vは、町田がAFCチャンピオンズリーグエリートに参加していた影響により、地域リーグラウンド第12節を13日に行った。きっ抗した展開が続いたものの、勝負どころで攻め手を欠いて0-0のまま90分が終了し、PK戦の末に敗れてしまった。直近のPK戦負けを含めて現在3連敗中で、水戸と同様にチームとして苦しい状況にある。さらに、今節は中2日で挑むアウェイゲームであり、コンディション的にも難しい試合だ。
だが、東京Vは城福 浩監督が指揮を執り始めてから何度もこうした逆境をはね返して、再び浮上していく大きなパワーを見せてきた。大幅にメンバーを入れ替えて臨むことも考えられるが、チームの総力を結集させて勝点3をつかみ取りたい。意志を一つにして、アウェイに乗り込む。
「チームスタイルは似ている」と大崎 航詩が言うように、両チームとも積極的にプレスを掛けてボールを奪いにいくスタイルで、奪ってからはテンポよくボールを動かして攻撃を展開していく。一つひとつの局面で上回ったチームが試合を制するだろう。
勝利を手にするのはリベンジに燃える水戸か、“ダブル”を狙う東京Vか。激戦必至だ。
[ 文:佐藤 拓也 ]