名古屋にとっては悔しさの残る3位だ。地域リーグラウンド最終節までグループ首位の可能性を残していたものの、アウェイで広島に2-4と敗戦。得失点差で2位から3位へと順位を落とした。ラスト2試合を迎える前には首位に立っており、サポーターの期待も大きく高まっていただけに、それに応えられなかったショックは大きい。試合後、ピッチ上で肩を落とす選手たちの姿が、その悔しさを物語っていた。ただ、シーズンはまだ終わっていない。最後まで支えてくれたサポーターのためにも5-6位決定戦を制し、J1百年構想リーグ5位というポジションは確保したいところだ。
順位を落とした要因として挙げられるのが守備面だ。地域リーグラウンド最後の2試合で計10失点。豊富な運動量で中盤を支える稲垣 祥が負傷離脱した影響もあったのか、球際での強度がやや不足し、ペトロヴィッチ監督も「もう一歩寄せるとか、もう少しボールにアタックするとか、もっとベターにできたかもしれない」と課題を口にした。
さらに、ビルドアップのミスからカウンターを受ける場面も目立った。短期間で劇的に改善できるものではないが、修正は急務だろう。どの角度でボール保持者をサポートするのか、その立ち位置によって次の選手のポジションも決まってくる。よりスムーズな前進のために、選手同士の共通理解を深めていきたい。
一方で、指揮官は悲観ばかりしているわけではない。「改善しないといけないゲームもある」と課題を認めつつも、「私のサッカー哲学で何を大事にしているのかを選手たちは理解し、積極的にプレーしてくれている。チームとして前に進んでいる」と、ここまでの積み上げには一定の手ごたえを示した。監督就任からまだ5カ月。理想とするチーム作りは道半ばだ。だからこそ、上位相手との真剣勝負は、自分たちの強みと課題を確認する絶好の機会になる。
注目したいのは中盤の構成だ。直近の第18節では負傷離脱から復帰した森島 司が途中出場し、いきなりゴールという結果を残した。本来の技術とセンスの高さは言うまでもない。その背番号14と高嶺 朋樹が最初からダブルボランチを組めば、どのようなサッカーを見せるのか。ともに攻撃センスに優れ、いわば“W司令塔”とも言える組み合わせ。もちろん守備面での改善も期待されるが、それ以上に攻撃面でどのような化学反応を生み出すのかに注目したい。
対する町田はAFCチャンピオンズリーグエリートを並行して戦う過密日程の中、多くの負傷者を抱えながらも、チーム一丸で地域リーグラウンドを戦ってきた。最終節・浦和戦を勝利で終えて2位のFC東京と同勝点になったものの、得失点差によって3位となり、このプレーオフラウンドに臨む。
互いに目指すのは、最後まで支えてくれたサポーターへの恩返し。すべてのプログラムを終えるまであと少し。名古屋も町田も、残された力を振り絞り、J1百年構想リーグ5位という結果をつかみにいく。
[ 文:斎藤 孝一 ]
