待望の結果を得たのは清水。嶋本悠大の1点が勝敗を分ける
ここまでともに1勝1分4敗の成績を残し、勝点4の獲得にとどまっている清水と福岡がIAIスタジアム日本平で相まみえた。
ホームの清水は、前節・川崎F戦からスターティングメンバー5名を入れ替えており、小塚 和季と井上 健太については、今季初の先発に名を連ねる。対する福岡は前節・水戸戦から4名を変更。GK小畑 裕馬と宮 大樹が初スタメンとなった。
試合は序盤から、清水がボールを保持する時間が長くなる。福岡はチームとして前から奪いにはいかず、撤退して清水の攻撃を待ち構えたこともあり、清水が相手陣で過ごす構図。ただし、福岡の守備ブロックを破って入るシーンは少ない。
福岡にとって誤算だったのは、前半のうちに2名のケガ人が出てしまったこと。序盤のうちにウェリック ポポが負傷し、8分に名古 新太郎を投入すると、30分にはルーズボールの競り合いでひざと思われる箇所を痛めた深澤 大輝がプレー続行不可能となり、キャプテンの上島 拓巳を送り出す。使った交代カードは2枚だが、ハーフタイムを除く3回の交代機会のうち、2回を前半に消化することとなった。
両チームともに、ゴールの気配はセットプレーの場面が中心だった。福岡はショートでつないだところから、見木 友哉が二度にわたってミドルシュートを狙う。対する清水は、小塚 和季の精度の高いボールから、嶋本 悠大やジャーメイン 良らがゴールに迫ったが、ゴールを脅かすことはできなかった。
前半アディショナルタイムには、結果的に遅れてオフサイドフラッグが上がったものの、福岡が前半最大の決定機を作り出す。小畑 裕馬からのロングフィードで右サイドを破った橋本 悠が中央へ折り返すと、師岡 柊生を経由し、ボックス内で前を向いた名古 新太郎が右足を振り抜く。シュートは枠を捉えたが、本多 勇喜の体を張ったブロックに阻まれた。
スコアレスで折り返した後半、71分にホームの大声援を背に清水が均衡を破る。外回しで相手陣に進入したシーンで、一度はボールを失ったものの、素早いプレスバックで奪い返す。前を向いたジャーメイン 良がオ セフンとのワンツーでペナルティーエリア内に進入し、相手に寄せられながらも力強さを見せてボールをキープする。マイナス方向への落としに反応した嶋本 悠大が強引に右足を振り抜くと、シュートはディフレクションの末にゴールに吸い込まれた。
アビスパ福岡
--リーグ戦今季初出場となった試合でした。結果を持ってこいということで送り出されたのですが、勝点を1つも持って帰ることができず、悔しいです。イレギュラーがあった中でも、フィールドの選手たちは頑張ってくれましたし、GKとしては、あの1本を止めてあげないといけない。いまのチーム状況的に、勝点が必要だったので、そこを届けられなかったことを悔しく思います。 --1失点したとはいえ、このチームらしい粘り強さは見せられたのでは?ここ数試合はどうしても失点が多かったので、そこはチームの中で重視していました。今日はみんな、ゴール前ですごく体を張ってくれましたし、僕自身が、何かをセーブする機会もそんなに多くなかった。最低限、今日くらいはやっていかないと、堅いゲームをモノにするのは難しいかなと思います。 --次に向けて。無失点にこだわることも大事ですし、攻撃面でどう攻めていくかもより明確にしなければなりません。僕らはここからはい上がっていくしかないので、もちろん一試合一試合の結果が大事ですが、一喜一憂をし過ぎてもこの長いシーズンは戦っていけないので、みんなでしっかりと次の試合に向かっていければと思います。
清水エスパルス
監督
これまでホームで勝てていなかったので、ようやく勝てて、まずはホッとしています。試合については、前半からボールはある程度自分たちが保持していたのですが、チャンスらしいチャンスはセットプレーからの1回だけだったので、ハーフタイムには、後半はもっと迫力を出していくこと、一方で、やっていること自体は悪くなかったと思っているので、継続しながら、ゴールに迫ることを伝えました。後半、何度かチャンスがありましたし、その中で嶋本(悠大)がよく決めてくれました。追加点を取れれば理想的な展開だったと思います。 最後に少しピンチもありましたが、なんとかみんなで勝ち切ることができた試合でした。 --ここまで開幕から全試合スタメンに入ってきたジャーメイン 良選手、嶋本選手の起用ポジションを変えました。今回の起用の背景と、彼らをこれまで今日のポジションで使ってこなかった理由があれば、教えていただきたいです。嶋本については、ボランチに負傷者が多かったので、ここまで右インサイドハーフの位置で使ってきました。一方で、得点を取ることを考えたときに、嶋本はトップ下、左インサイドハーフに入ったほうが、前へのパワーを出せます。加えて、今日は左ウイングに井上(健太)を使ったのですが、マテウス(ブルネッティ)、そして嶋本を含めた3人の作りから、クロスの数が増えるだろうと想定をしていたので、そこで右サイドのジャーメインが効いてくるだろうなという意図もありました。 --ここまで複数得点を奪えた試合がありませんが、今日の勝利を機に、得点力をどのようにアップしていきたいと考えていますか?個々の話で言うと、日々のトレーニングの中から、決定力を上げていくための工夫が大事だと思います。一方で、チームとしては、チャンスをより増やしていくことも大事です。最後のゴール前のシーンだけではなく、奪ったあと、速攻に行くのか、遅攻に行くのかの判断であったり、保持するときは保持をしないと、守備ばかりになって疲弊して、最後のパワーが残りません。ゴール前だけにフォーカスするのではなくて、たくさんチャンスを作る、あるいは最後にパワーを残しておくことも、チームとしては大事なのかなと思っています。
アビスパ福岡
監督
内容よりも、結果の面で勝点3を取り切れず、現状の勝点で並んでいる直接対決を落としてしまったことを悔しく思います。いま現在は苦しい状況なので、次はホームでしっかり勝ち切れるための1週間にしたいと思います。 内容のところで言うと、立ち上がりに負傷者が出て、自分たちの思っていたような形では進められませんでしたが、前線の3人の守備も含めて、非常に堅く進められました。清水さんにとっては、イヤな状況が続いていたのかなと想像します。ただ、そこから奪ってカウンターまでのシーンで、運べはするものの、効果的なシュートまで持ち込むことができなかったので、そこは1つ反省材料かなと思います。交代枠のこともあり、最後の交代のタイミングは非常に難しかったのですが、その前段階でやられてしまい、粘り強さが最後、あと一歩のところで出せなかったなという印象です。 --失点シーンをどのように捉えていますか?それまでの時間帯は、ペナルティーエリアまで進入されることはありましたが、(最終ラインの)3枚が壁になり、クロスも含めて弾けていたところが多かったのですが、失点シーンについては、左サイドでプレスが被ってしまい、もう一度相手にボールが渡り、さらに深い位置まで行かれて、そこからジャーメイン(良)選手が内側にカットインしてきたシーンでした。ペナルティーエリアの中に入る前の段階で、想定をしていない形にさせてしまいました。ペナルティーエリア内に人数はそろっていたのですが、最後の一歩のところで、上島(拓巳)が寄せて、あのような失点シーンになりました。本当に、あと一歩のところだったと思います。 --今後に向けて、人選の面での継続と変化のバランスはどのように考えていますか?今日に関しては、コンディションの面もありますが、相手の高さへの対応を考えた部分はありました。多少、これまでと比べると、ボールを奪うラインは低くなってしまいましたが、それでも守り切れる姿勢は、試合の途中までは見せられていました。次の対戦相手に沿った対策というか、いまはとにかく勝点3が必要なので、そのための積み上げが必要だと思っています。
清水エスパルス
MF 47
嶋本 悠大
--今季初めて、左インサイドハーフで起用されました。今季はキャンプからずっと右のインサイドハーフをやってきましたが、百年構想リーグのときは左で自信を深めていましたし、自分らしさを忘れることなく、左に入っても、いつでもやれる準備はしていました。右と比べると、役割の面で、守備強度やパワーを使う場所が全然違うのですが、攻撃のときに左の選手に何をしてほしいかは、右をやったからこそ分かることもあります。そこは、右で頑張ってきた成果も少しは出せたかなと思います。 --ゴールシーンを振り返って。ジャメくん(ジャーメイン 良)が(オ)セフンとのコンビネーションで崩してくれたことが大きかった。最後はラッキーなところもありましたが、とにかく入って良かったです。 --個人としては、ここからU-21日本代表の一員として、アジア競技大会に向かいますが、同大会への意気込みを聞かせてください。アジア大会でも数字にこだわってやっていきたいですし、しっかりと得点を決めたいです。帰ってきたときには、1段階レベルアップした姿になって、再び清水の勝利に貢献したいと思います。
MF 6
ウォン ドゥジェ
--古巣の福岡戦で、清水デビューを飾りました。まず自分自身、プロに入って初めて所属した福岡が相手だったので、当然思うこともありましたが、いまは清水の選手です。ここまでケガもあって、およそ7カ月ぶりの公式戦だったのですが、素直に勝てたことをうれしく思います。 --交代出場前に与えられたタスクについて。0-0の状況で試合に入ったので、まずは失点しないことを最優先していました。自分が入った直後、タイミングよく(嶋本)悠大が決勝点を奪ってくれたことが、勝利する上で非常に大きかったです。 --今後、どのような存在感を示したいですか?チームの舵をとれるような、いなくてはならない選手になれればと思います。