今季の愛媛は大きな目玉補強こそなかったものの、森谷 賢太郎、横谷 繁、シシーニョらボールポゼッションを高めるパスサッカーに適応した、経験豊富な中盤のユーティリティープレーヤーを複数獲得。一発の怖さは昨季より若干見劣りするものの、チーム全体が織り成す攻撃の連動性は確実に向上している。また、昨季たびたび脆さを見せていた守備面に関しても、より攻撃に時間を割くための能動的な守備を意識づけ。プレシーズンのトレーニングマッチでもそれらの成果は見て取れ、3年目の指揮となる川井 健太監督は積み上げによるチームの成熟度に「仕上がりは良い」と自信をのぞかせている。
松本にとっては、まさに節目のリスタートのシーズンとなる。8シーズンにわたってチームを指揮し、二度のJ1昇格を成し遂げた功労者・反町 康治監督が昨季限りで退任。長期政権が終わり、昨季、群馬をJ2昇格に導いた布 啓一郎監督がクラブの新たな歴史を紡ぎ出す。新指揮官はこれまでのチームが築き上げてきたベースを生かしながらも、“反町色”の強かった[3-4-2-1]から[4-4-2]への移行を試みるなど、新スタイル構築にも意欲的。リーグ開幕を前に行われた16日のJリーグYBCルヴァンカップBグループ第1節・C大阪戦(1●4)では残念ながら結果は出なかったが、この時期に緊張感のある公式戦を1試合こなせたこと自体がプラス材料と見るべきかもしれない。
[ 文:松本 隆志 ]

