ホームの松本は、J3降格圏内までの勝点差がわずか1の18位。ここ2試合は残留争いの直接対決でまさかの2連敗を喫して順位を落とした。しかも大宮との前節は攻守に良いところがなく、0-4と一方的に蹂躙されてしまった。ショッキングな内容とショッキングなスコア。今節からのタフな3連戦は、強大なリバウンドメンタリティーが必要になるだろう。
対する磐田は、J2屈指の陣容で堂々と優勝争いを演じている。現在は勝点56でJ1昇格圏内の2位。1試合消化が少ない1位・京都を1ポイント差で追う熾烈なレースを展開している。1トップのルキアンがリーグ2位の13ゴールを記録し、遠藤 保仁や大津 祐樹、山田 大記ら攻撃のタレントが持ち味を発揮している。
残酷なまでのコントラストを描く両クラブにとって、ともに欠かすことのできない存在がいる。いまは松本の監督を務めている人物――つまり、名波 浩だ。現役時代は磐田の黄金期を築いた稀代のレフティーで、現在磐田を指揮する鈴木 政一監督の元でもプレー。そのため、このカードは“古巣対決”と“師弟対決”の色を帯びる。
名波監督本人は以前から「そういうことは気にしない」とキッパリ口にしてきた。とはいえ、指揮官として磐田と対峙するのは今回が初めて。敵将としてサンプロ アルウィンの緑色を味方につけながら、怒とうのサックスブルーを迎撃するのだ。実際に経験すれば、また違った感情が胸を去来するかもしれない。
ただ、現状の松本はまず残留争いからはい上がらなければならず、そうした感慨に浸れるのはこの難しい一戦に勝ってこそ。松本はカップ戦も含めて磐田にわずか1勝しか挙げられておらず、2014年での初対戦が唯一の白星。今回は名波監督が惨敗の前節から立て直し、7年ぶりの勝利に導けるかどうか。
因果の糸をより合わせた先に立つ、名波 浩。その手腕に刮目せよ。
[ 文:大枝 令 ]
