とはいえ、直近の成績とピッチ内でのパフォーマンスは必ずしも比例していない。例えば前節で松本は千葉と対戦。シュート数4対18、CK数0対13と圧倒された。特に後半のシュート数はゼロでチャンスは皆無に近く、名波 浩監督も「後半は攻撃と守備の練習ゲームのようだった」と振り返るほど一方的な守勢。ディフェンスが踏ん張ってのスコアレスドローで勝点1こそ積んだものの、攻撃面は大いに課題が残る一戦となった。
対する栃木は前節、大宮をホームに迎えてのゲーム。ロングボールの処理ミスから早々に先制を許し、その後もセットプレーなどで3失点した。しかし攻撃面に目を転じると、サイドを起点としながらダイナミックに相手陣内へ進入。田坂 和昭監督は「大宮に対して狙いはほぼ出せていて、前半の(有馬)幸太郎や谷内田(哲平)が打ったシュート、後半最後の(森)俊貴が打ったシュートも狙いどおりの形」と話していた。
この一戦でカギを握るのは、“精度”だろう。
松本はボールを奪ったあとの精度。即時奪回に押しつぶされてロストするケースが頻発した前節の反省を踏まえ、プレスを回避するパスの正確性がまず求められる。栃木にとってはサイドを攻略したあとのクロスやシュートの精度。狙いどおりの崩しを表現した先のフィニッシュワークを研ぎ澄ませ、ネットを揺らせるかどうかがポイントとなる。
総得点は松本が『27』で栃木は『29』。ともに爆発的な得点力があるわけではないだけに、1点の重みはとてつもなく大きい。たったワンプレーであっても決定的な“精度”を表現したチームに、勝利の女神がほほ笑むのではないだろうか。
[ 文:大枝 令 ]
