時崎 悠監督体制の2年目を迎える栃木は、昨季所属した多くの選手が残留し、期待されるのは上積みだ。昨季は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、初頭のキャンプが中止に追い込まれたが、今季は順調そのもの。プレシーズンでは、昨季のリーグで3番目タイに失点数が少なかった守備面の確認を早々に済ませ、静岡県内で2週間実施したキャンプの大半で、課題とする得点力アップのために時間を割くことができた。
トレーニングマッチにおける手ごたえについて、「今年も守備は間違いなく堅い」と西谷 優希。その上で、いかに得点数を増やせるかが、上位に躍進できるか否かのポイントとなりそうだ。昨季の6月中旬に育成型期限付き移籍で加入し、5得点を挙げた根本 凌は「今季のメンバーがそれほど替わらなかったのは僕にとってプラス」と話す。出し手、受け手のあうんの呼吸が形成されつつあることに手ごたえをつかんでおり、得点増の起爆剤として期待がかかる。
一方、熊本は大木 武監督体制の4年目を迎える。J3で優勝を果たしてJ2に復帰した昨季は、序盤から攻守一体となった“大木サッカー”を展開し、上位をキープ。最終的に4位で終えると、京都とのJ1参入プレーオフ決定戦までコマを進め、あと一歩でJ1昇格というところまでたどり着いた。
今オフには河原 創ら昨季の躍進を支えた主力のうち半数近い選手たちがJ1クラブなどに移籍。新たに大卒の選手たちや、かつて大木監督の下でプレーした選手たちを獲得するなど、仕切り直しの1年を戦うことになる。ただ、“大木サッカー”のスタイルは不変だろう。ハードワークをベースにしたハイプレス、ゴールへ向かう強い意識や巧みさを押し出してくるとみられる。一方で、栃木も今季は始動日から走り込みのメニューを相当に増やしており、練習から“前へ”の姿勢を強調するなど、アグレッシブさでは負けられない状態にある。
開幕戦から両チームともトップギアに入った、アグレッシブで激しい戦いが期待できるだろう。
[ 文:鈴木 康浩 ]

