“前哨戦”で、おおよその構図は浮き彫りになった。
5月11日の天皇杯長野県予選決勝では、完全ターンオーバーで臨んだ松本が、リーグ戦の主力の大半を投入した長野を1-0で下した。陣形は互いに[3-4-2-1]。多少の可変はあるものの、基本的にはミラーゲームとなった。
松本は選手層の厚みを示しただけでなく、チーム内競争も活発化。誰が出ても“走る・戦う・あきらめない”といった根幹の部分を表現できることを証明した。それは早川 知伸監督が大切にしている要素でもあり、試合後は「ベースの部分に関しては、明らかに相手よりも上回ることができた」と胸を張った。
この対戦カードは両チームのJリーグ参入後に過去10回行われており(※天皇杯長野県予選も含む)、そのほとんどが肉弾戦になりがち。その意味でも松本には一日の長があるだろう。さらにこの一戦でバーンアウトして疲労を引きずる過去の傾向も、いまの松本には無縁のように見える。
対する長野は、今季から指揮を執る藤本 主税監督が浸透させようとしているスタイルは道半ば。理想と現実のギャップをどう埋めるかに苦心している様子だ。リーグ戦はここ6試合勝ちなし。明治安田J3第11節・相模原戦、天皇杯長野県予選決勝で、それぞれ戦列に戻った藤川 虎太朗、大野 佑哉らがクオリティーを示せるかに注目したい。
[ 文:大枝 令 ]
