ただ、首位との勝点差はわずか。Bグループは引き分けが多く、首位・湘南が勝点6、2位・川崎Fが勝点5、3位で並ぶ浦和と清水が勝点4というきっ抗した状況にある。残り2試合で順位はいくらでもひっくり返るが、「この試合がラストチャンスという意識が全員にある。勝ちにいきたい」とマチェイ スコルジャ監督は意気込んでいる。
しかし、相手は川崎F。リーグ戦では11位とまさかの苦戦を強いられているが、地力はある。マチェイ スコルジャ監督は「非常に良いビルドアップを持っており、ファイナルサードでもJリーグトップクラス」と評価している。
ただ一方で、「守備面では川崎も問題を抱えていると思う」とも語っており、そこが今季の苦戦の原因でもある。カタールW杯後に守備の要・谷口 彰悟がアルラーヤン(カタール)へと移籍し、明治安田J1第3節・湘南戦でジェジエウが左ひざ外側半月板損傷の重傷を負って、長期離脱。CBの層が一挙に薄くなった。
少しさかのぼると、旗手 怜央(セルティック)や三笘 薫(ブライトン)など一時代を築いた主力が続々と海外へと巣立つにつれ、徐々に強度の低下が見られていた。さらにはレアンドロ ダミアンも昨季の負傷の影響で出場機会が限られ、各ポジションで優位性が失われつつある。
そんな中で、よりリスクを負った戦い方が悪いほうへ傾いている川崎Fだが、やはり地力は侮れない。遠野 大弥はリーグ前節・横浜FC戦を「完敗」としつつも、「試合でやることについては理解してやれている。一人ひとり責任を持ってやること。一人ひとり声を出して、自分が、自分がという姿勢、球際、走ることをしっかりやっていきたい」と気持ちを入れ直している。
そして浦和においても、ここからの連戦に臨むにあたって不安要素は多い。アルヒラルとのAFCチャンピオンズリーグ決勝以降、欠場が続いている酒井 宏樹については「問題は少し複雑で、慢性的になってきている部分もある」(マチェイ スコルジャ監督)と起用は難しい状態。
リーグ前節・福岡戦で負傷交代した明本 考浩についても「違和感を訴えた時点で交代したので重症ではないと思うが、復帰のタイミングが早過ぎても良くないので見極めたい」と、同じく指揮官は慎重な姿勢だ。
ただ一方で、21日に行われた東洋大との練習試合で得点を挙げた髙橋 利樹など状態を上げている選手もおり、ここ最近メンバー外が続いていたダヴィド モーベルグも「スタメンに入ってもいい状態」(マチェイ スコルジャ監督)までこぎつけた。
アウェイでのリーグ戦からの連戦となるため、ある程度メンバーを入れ替えることが予想される浦和。これまでのベースに組み込まれる新たな選手はいるのか、マチェイ スコルジャ監督の采配にも要注目だ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
